hon de honwaka

一期一会の本と日常のおはなし

児童書

世界で翻訳され続ける牛

あの「風と共に去りぬ」を上回り、アメリカで年間ナンバーワンのベストセラーになったこともある絵本です。 「はなのすきなうし」(岩波書店 1954年12月第1刷 2014年9月第60刷) 文 マンロー・リーフ 絵 ロバート・ローソン 訳 光吉夏弥 はな…

いつかは飼いたいドラゴンのトリセツ

火災保険、加入していますか。火を吐くタイプのドラゴンを迎えるなら必ず加入しなければなりません。できれば損害賠償保険も。 「ドラゴン 飼い方育て方」(原書房 2008年2月 第1刷) 著者 ジョン・トプセル(ジョーゼフ・ニグ) イラスト ダン・マロ…

「絵の詩人」谷内六郎

朝晩冷えますね。こちらの表紙絵を見ていたら、震災被災地の岩手県大槌町にある「風の電話」を思い出しました。 「北風とぬりえ」(マドラ出版 2001年4月 第1刷) 著者 谷内六郎 本書の構成と内容は… 1.「六郎画集から」 谷内六郎の画集より選ばれた…

猫に翼があったなら

寒いけど、気持ち良い秋晴れ。落ち葉の季節になりました。今日は庭掃除日和です。 「空飛び猫」(講談社 1993年3月第1刷) 著者 アーシュラ・K・ル=グウィン 画家 S.D.シンドラー 訳者 村上春樹 表紙イラストにひとめぼれ… 4匹の翼の生えた子猫たち…

みんなの世界

先日の大きな事故のことで、「群衆がある程度密になると、冷静さが低下して自分たちでは制御不能になる」と専門家が述べられていました。 「みんなの世界」(岩波書店 1953年12月 第1刷) 文・絵 マンロー・リーフ 訳 光吉夏弥 どんな内容?… シンプ…

くもの糸、何度目かの再読

読書週間、タイトルを聞いただけでそのストーリーが一瞬で思い浮かぶ、名作の凄み。 「日本の名作 くもの糸」(講談社 1970年10月第1刷) 文 芥川龍之介 絵 朝倉摂 あまりにも有名なお話… たぶん内容を説明する必要はないのでは、日本人ならどなたで…

童話「きんいろのカラス」

日を追うごとに冬が近づいています。植物たちも休息の時期に入ったようです。 「 きんいろのカラス 」( 偕成社 1969年9月第1刷 ) 著者 いぬいとみこ 画家 朝倉摂 まず読んで感じたことを… 生きるということは、厳しいことです。 平和のなかにいると…

世界で最古の子どものお話集

今回のお話は「処世術」がテーマのひとつ。子どもの頃に処世術を教えられたのと教えられないのでは、だいぶ人生違ったかな。 「声に出して読む インドにつたわる パンチャタントラ物語」(出帆新社 2018年6月初版) 著者(再話)マノーラマー・ジャファ…

ポエムポエムポエム

昨日は近くの山へドライブに。山頂付近の長いトンネルを抜けると…そこは紅葉燃える国でした。すばらしかった。寿命が延びました。 「魔法のことば」(銀の鈴社 2012年8月初版) 詩 川越文子 絵 山中桃子 タイトルに魅かれて… たまたま見つけたタイトル…

オランダへの入口に

オランダというと風車や木靴のイメージが強かったのですが、このお話はオランダでも個性豊かな地域ゆかりのもの。新たなオランダとの出会いです。 「お話のすむ家」(偕成社 1996年8月 第1刷)作者 ミンダルト・ヴィンストラ 絵 バップス・ヴィンスト…

人差し指の王様

週末になると、ちょっとホッとします。早朝降っていた雨が止み、雲の切れ間から青空が見えてきました。 「ちいさなちいさな王様」(講談社 1996年10月 第1刷) 作者 アクセル・ハッケ 絵 ミヒャエル・ゾーヴァ 訳 那須田淳・木本栄 どんなストーリー……

妖怪今昔

コロナ禍の外出自粛でハマったもののひとつが、「鬼滅の刃」。だいぶ遅ればせながら、TUTAYAで13巻まで借りて目を痛めつつ一気読み。最終巻は発売日に書店で並んで買いました。 「妖怪がやってくる」(岩波書店 2021年7月 第1刷) 著者 佐々木高弘 …

永いお別れに

秋の深まりを感じる夕暮れ。なんの理由もなく物悲しくなることも。でも本当は、じっと心の奥を覗いてみたら、なにか理由があるのかも。 「すいがらとバラと」(偕成社 1997年5月第1刷) 作者 ヴィヴェッカ・レルン 絵 イェシカ・パルムグレン 訳者 菱…

ワタシのまざあ・ぐうす

今朝も寒い日曜日。急激な気温の変化、衣替えまだなんですが、どうしたらいいものか迷います。 「あたしのまざあ・ぐうす」(冨山房インターナショナル 2011年5月 第1刷) 絵 ふくだじゅんこ 訳 北原白秋 どんな本かな… 「マザー・グース」。 イギリス…

カゲキな異次元へ

病院を受診。診察開始と同時に入りましたが、すでに10人ほどの患者さん。診察まで1時間半の待ち時間は恰好の読書タイム、ちょうど読み終わったころ名前が呼ばれました。 読んでいたのは、こちら 「 コピッカの王子さま 」 ( KIVA BOOK(株)志茂田景樹事務所 …

勇気と純粋と無邪気と

表紙の絵、これは犬です。子犬。私はてっきり空想の世界の“なにか”と思ったのですが、子犬です。 「 氷の上のボーツマン 」 ( 岩波書店 2009年11月 第1刷 ) 作者 ベンノー・ブルードラ 絵 ヴェルナー・クレムケ 訳者 上田 真而子 ドキドキハラハラ…

自分の心と向き合うとき

物語に登場するディクソンさんの手作り桑の実アイスクリームがおいしそうだったので、隣町にある桑の専門店に行ってみたくなりました。 「 ジュリアが糸をつむいだ日 」 ( 徳間書店 2018年12月 初版 ) 作者 リンダ・スー・パーク 訳者 ないとうふみ…

本当の家族って

絵本や児童書など子ども向けといわれる本を読むようになって、1カ月ほどになります。 読めば読むほど、その奥深さに感動しています。 もっと早く出会いたかった…と惜しい気持ちもありますが、とりあえず今だって出会えないよりは出会えてよかった。 子ども…

自然と共に暮らす

田舎に住んでいるせいか、今夏は3回、家の中に入ってきた虫を、虫取り網で捕獲して外に帰っていただきました。2センチぐらいの大きさのブンブン羽音をたてて飛ぶ虫。ここ数年の恒例行事になっています。 今日は、虫の大好きな女の子の物語、 「カティとつ…

今年はなににしよう。

9月最後の金曜日、ブラックフライデーって今もやっているのかな? 今日の一冊は、 「思いがけない贈り物」(講談社 1997年11月 第1刷)著者 エヴァ・ヘラー 絵 ミヒャエル・ゾーヴァ 訳者 平野卿子 大人のための童話… 季節はちょっと早いけど、なん…

行ってみたい集密書架

県立の図書館が好きで週一通っています。大学の図書館に入る機会があったらぜひ行ってみたい。どうやったら入れるかな~ 「ライブラリー・ツインズ ようこそ、月島大学図書館へ」(アリス館 2021年8月 初版) 著者 日野祐希 絵 あけたらしろめ どんなス…

白い馬と音楽と

秋分の日です。昼の長さと夜の長さが同じになる日といわれていますが、実際には昼のほうが少し長いということです。 「 風がはこんだ物語 」(あすなろ書房 2018年9月初版) 著者 ジル・ルイス 絵 ジョー・ウィーヴァー 訳者 さくまゆみこ この物語が生…

山のびょういんへ

今頃になって、真夏よりもよく蚊に刺されます。彼女らも猛暑でじっとしていたのが、涼しくなって活動的になっているようです。 どこかのテレビ番組で、刺される回数が増えるほどかゆみが増すと聞きました。ほんとう?困ったなぁ。 「くもとり山のイノシシび…

【児童書】見知らぬ感覚になる

9月も半ばに。そろそろと読書の秋がやってきましたが、南半球はこれから春へ。そういえば、あちら側にも〇〇の秋ってあるのだろうか。 「見知らぬ友」(福音館書店 2021年2月初版) 著者 マルセロ・ビルマヘール 絵 オーガ・フミヒロ 訳 宇野和美 まず…

音と匂いで感じる山歩き

昨日一緒に出掛けた友人が、楽しいイベントのおわりに「ああ、明日は月曜日、また一週間がはじまる」と言いました。そんな月曜日、 「飛ぶための百歩」(岩崎書店 2019年8月第1刷) 作 ジュゼッペ・フェスタ 訳 杉本 あり イラスト まめふく どんなお…

今日は何の日?

9月9日は、語呂合わせにちなんで「救急の日」とも言われています。 今日の一冊は、救急の日にちなんで 「よるのびょういん」(福音館書店 1985年 第1刷 2022年4月 第13刷) 作 谷川俊太郎 写真 長野重一 絵本ではなく写真本です… 文章を書いた…

犬は笑う?笑わない?

9月2日、今日はキアヌ・リーヴスさんの誕生日だそうです。乙女座なんですね。お誕生日おめでとうございます。 さて、今日の一冊はこちら 「楽しい解剖学 続 僕とチョビの体のちがい第2版」(学窓社 2021年2月第1版) 著者 佐々木 文彦 どんな本でし…

木が草になったって本当?

8月も今日一日となりました。 今年の夏は、梅雨明け宣言の後から頻繁に雨が降ったり止んだりを繰り返し、その度に庭の雑草がぐんぐん伸びたような気がします。 雑草に戦いを挑んではコテンパンに負けるというのが、ここ数年の夏の恒例行事となっていること…