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一期一会の本と日常のおはなし

行ってみたい集密書架

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県立の図書館が好きで週一通っています。大学の図書館に入る機会があったらぜひ行ってみたい。どうやったら入れるかな~

「ライブラリー・ツインズ ようこそ、月島大学図書館へ」(アリス館 2021年8月 初版) 著者 日野祐希 絵 あけたらしろめ

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どんなストーリー…

主人公は、中学三年生の双子の姉弟、菜織と健史。姉は社交的な体育会系、弟はちょっとシャイな頭脳派。

対照的な性格のふたりが、夏休みの5日間大学の図書館でボランティア活動をするという、言葉にするとなんとなく地味な舞台設定ですが…

 

イマドキの、ふたりの多感な中学生の勢いたっぷりな楽しいストーリーです。

 

ふたりが行うボランティアは、ホームカミングデーで開催する図書館のイベント作り。

イベント作りの過程を読んでいたら、中学生版「舟を編む」の印象です。本書は本の「製本」について語られていますが、本に関わるものづくりの魅力は通じるものがあります。

たった5日間の経験ですが、けんかしたり悩んだり、調子に乗ったり励ましあったり。

ふたりを支える大人たちが温かい。現実はそうとばかりはいかないかもしれませんが、読んでいるとほっこりします。

人との出会いやイベント作りの体験が中学生のふたりにとっては大きな刺激になり、将来の進路を考えるきっかけになります。

身近なものに新たな視点を見つけることができて前向きな気持ちになれる物語、主人公と同世代の方に読んでいただきたい本です。

著者のプロフィール…

Webサイトより

1988年生まれ。楽器と音楽の都・静岡県浜松市出身。ただし、楽器は何もできない。小中高と図書委員で、大学では図書館情報学を学び、現在は愛知県で大学図書館職員として奮闘中。就職してから小説を書き始め、Webでも同ペンネームで活動している。

人生の大半をどっぷり図書館に浸かってますね。実際に図書館のお仕事をされている方。本作でも図書館の描写がとても詳しく、しかも細やかな愛情を感じます。

作中のことばに反応…

本にまつわるいろいろな言葉が散りばめられています。

 

大学図書館 著者によると「公共図書館や学校の図書館とは違う魅力に溢れている」。東大の図書館、美術館みたい、必見です。

ようこそ総合図書館へ ー高校生のための東京大学オープンキャンパス2020 - YouTube

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閉架書庫の電動の「集密書架」 いつも行く県立図書館にも、カウンターの奥になにやら地下へ続く階段が。きっとあの先に…行ってみたい。

大阪府立大学 学術情報センター図書館 バーチャルツアー:地下1階の書架 - YouTube

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世界の三大美書 どこにあるんだろう、見てみたい。世界三大〇〇っていろいろありますね~

ミズノ プリンティング ミュージアム | 世界三大美書

 

 

寒冷紗(かんれいしゃ) 園芸用に使われることで一般的な、荒い網のような布のことですが、本の中身の背の補強に使われます。本を普段手にしても見ることのない部分。縁の下の力持ち的な、奥ゆかしい感じ。

石川県立図書館 本の修理動画(2) 寒冷紗 - YouTube

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つくよみ 月島大学図書館のマスコットキャラクターの名前ですが、気になって調べてみたら「月の神」の意味あり。静かな神さま、図書館にぴったり。

月の神でありツキを呼び込む神「月読命」日本人なら知っておきたいニッポンの神様名鑑 | Discover Japan | ディスカバー・ジャパン

 

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