8月も今日一日となりました。
今年の夏は、梅雨明け宣言の後から頻繁に雨が降ったり止んだりを繰り返し、その度に庭の雑草がぐんぐん伸びたような気がします。
雑草に戦いを挑んではコテンパンに負けるというのが、ここ数年の夏の恒例行事となっていることもあり、こちらの本の題名が勢い私の目に飛び込んできました。本日のタイトルは本の表紙そのままですが、この言葉に魅かれて手に取った一冊です。
「植物たちのフシギすぎる進化」(筑摩書房 ちくまQブックス 2021年9月初版) 作者 稲垣 栄洋(いながき ひでひろ)
すごく面白い内容です…
私はてっきり草ははじめから草、木ははじめから木なのだと思っていました。なので表紙のコメントは意外でした。これが読むきっかけとなりましたが、とても興味深い内容でした。
人類が誕生するずっと前、恐竜時代からの植物の生き残りをかけた「進化」を通して、すべての生物の進化とは何かを伝えてくれる植物たちの話となっています。少しだけ私が面白いと思ったポイントを箇条書きで記します。
- 「花」は植物が花粉を運ぶ昆虫を呼び寄せるために身につけた進化
- しかも、植物はどの昆虫をパートナーにするか相手を選んでいる
- 自然界は、それぞれ「自分さえよければ、それでいい」とみんなが自分勝手に振る舞った結果、みんなが得をするようになっている
- 植物たちが見出した「強さ」とは、「たくさんの種類がある方が強い」そして「みんなが違うことが強い」ということ
著者について…
1968年静岡市生まれ。農学博士で、専攻は雑草生態学。研究のため雑草を育てていますが、雑草を育てるのはとても難しいそうです。なぜ難しいのかも、本の中に書かれています。「雑草はなぜそこに生えているのか」「身近な雑草の愉快な生き方」「たたかう植物」など著書多数。
植物に学ぶ多様性…
こちらの本は、子ども向けに書かれていて文字も大きめで頁数は100ページに満たず、文章も平明です。半日あれば読み終えることができると思います。その中に日々の生活にも参考になるたくさんの学べる知識が詰まっていますので、ぜひ読んでみていただきたいです。
「バラバラであること」「他人と違う個性」は、必要だからあるのだと植物の進化を通して根拠を持って教えてくれます。
読後に星野源さんの「ばらばら」という曲を思い出しました。人類で言えばバラバラでいるということはお互いの違いを認め合うということ、無理してひとつになろうとするよりも、自然界を見習ってバラバラであるほうが地球で生き残れるんじゃないかなぁ。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。今日は日中気温が急上昇する予報です。水分補給をして体調に気を付けてお過ごしください。