今週読んだ絵本です。

「おとなしい きょうりゅうと うるさい ちょう〈めずらしい交換〉」
文:ミヒャエル・エンデ
絵:マンフレット・シュリューター
音楽:ヴィルフリート・ヒラー
訳:ことう えみこ
文章と絵に加えて、音楽、楽譜が掲載されている絵本。
楽譜は「序曲」に始まって、短いものから長いものまで絵本の随所にちりばめられています。
また、訳者のあとがきによると、日本語訳には苦心された様子。原語であるドイツ語でしか味わえない言葉遊びや韻があるからです。
音にこだわりのある作品です。
お話は名前に纏わるもの。
活発で元気いっぱい、むしろ乱暴者のような恐竜ですが、ある日読んだ本のなかで、自分が「おとなしいきょうりゅう」と銘打たれていることを知ったのをきっかけに、体から力が抜け、しょげかえり寝込んでしまいます。
一方、お洒落でエレガント、騒がしいことは嫌いなはずの紳士なモンシロチョウは、羽音騒がしく通りかかったマルハナバチから自分が「うるさいちょう」と呼ばれていることを知ります。知ったとたんにチョウの人生も一変、華やかな生活を捨てて荒野にひとり佇むことになってしまいます・・・
読み始めてまず心に浮かんだのは、絵本を開いた途端に現れた楽譜に、「楽譜が読めたらなぁ」。いくら楽譜を見つめても、なんの音もしないので、とりあえず読み進めることに。楽譜がわからなくてもウイットに富んだ文章とユニークな絵で愉しめます。
確かに名前って影響力大きい。結と付いたら美しく舞えそうだし、翔ぶと付けてもらえたら二刀流になれそう。作者のあとがきによると、ミヒャエル・エンデさんも「エンデ(終わり)」をだいぶん周りからいじられていたようです。
さて、一度読み終わってからも、しつこく楽譜が気になりました。なにか方法は、と「序曲」の写真を撮って「なんでも知ってる(と私が思っている)AIさん」に質問。
すると、「ドラゴンクエスト」の曲だという思ってもみなかった回答がありました。ドラゴン、近いけど・・・楽譜にある文字は「序曲」のみ。ドラゴンに繋がったのはなぜなのか不思議です。
しかしその曲でないことは明らかなので、作中にある別の曲を質問してみました。
すると、今度は大正解。しかも先に送った曲についても「前回の推測に誤りがあり失礼いたしました!」とお詫びの言葉まで添えられていました。
曲の試聴についてはYouTube動画検索のための日本語キーワードを丁寧に案内してくれたので、調べてみましたが納得のいくものが見当たらず。
諦め悪く原題「Der Lindwum und der Schmetterling」で検索したら1つの動画が見つかりました。
訳者のあとがきによると、実はこの原題にも言葉遊びの意味が込められています。今度は、ドイツ語が分かったらなぁ・・・
この絵本は、ドイツ連邦共和国(西ドイツ)の「1981年・最も美しい50冊の絵本」賞を受賞しています。