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一期一会の本と日常のおはなし

【お祭りに行けなかったもみの木】小さなもみの木のクリスマス

週一の習い事ヨガ。いつも先生がおっしゃるのは、ほかの人と比べなくてよい、それぞれ自分のできる範囲でやればよいということ。

「お祭りにいけなかったもみの木」

偕成社 2000年11月 初版)

 作 市川里美  

 訳 角野栄子

 

日本の作家の書いたクリスマスの絵本も読んでみたいと思いまして。

 

もみの木にとって、クリスマスは年に一度の晴れ舞台。

こんな発想は、したことがなかった。

どんなお話し…

森のはずれに、数本のもみの木たちが並んで生えています。

その大きさや形はさまざまです。

大きいもの木、まるいもみの木、ふさふさのもみの木…

みんな、なにかにそわそわしています。

それは、「お祭りの日」がもうすぐだから。

お祭りの日とは、クリスマスのこと。

もみの木たちにとってクリスマスは、素敵なドレスで着飾って迎える憧れの日です。

にぎやかにどんなドレスを着たいかお喋りし合うもみの木たちですが、

ひとりだけ仲間外れのもみの木がいました。

ほかのもみの木たちに比べると、ずっと小さいもみの木です。

誰にも話しかけられず、小さいもみの木はさびしそう。

 

ある日、一台の車がやってきて大きな音を立てたかと思うと、ほかのもみの木たちをつれていってしまいます。

後には小さなもみの木が残り…

 

お祭りに行けなくても、クリスマスには素敵なことが起こるお話し。

それぞれの場所、それぞれのカタチで輝けることを伝えてくれます。

小さなもみの木に空から降ってきた自然のプレゼントが、みんなの心をきっと温かい気持ちにしてくれます。

独創的で滋味あふれる絵の世界。

どこにでもありそうな、ありのままのもみの木ですが、

それぞれのもみの木が生き生きと描かれ、

見終わったときにはもみの木だけてはなく、身近な木々たちを見る目も変わりそう。

著者について…

作者の市川里美さんは、1949年岐阜県生まれ。

1971年旅行で訪れたパリにそのまま移住。その後独学で絵を学びます。

創作のテーマとなるのは、

旅や日常で出会った人や生きものへ対する愛しさだそうです。

 

「春のうたがきこえる」で講談社出版文化賞絵本賞、「はしって!アレン」でサンケイ児童出版文化賞美術賞など受賞多数。

 

これまでに80冊ほどの絵本を制作され、

近著は2022年6月出版の

「しっかりママにつかまって!ーボルネオ島のおはなしー」です。

 

こちらのサイトに詳しいプロフィールが。

著者のメッセージを読んだら、ますます魅力が増しました。

www.ocpl.ogaki.gifu.jp

そして、この絵本、作者の市川さんは文章をフランス語で書いています。

本書の原題は、「La robe de Noël」、

日本語に訳すと「クリスマスドレス」です。

全く異なるタイトルを考えた方は…

 

本書を訳した角野栄子さんは、1935年東京都生まれの童話作家

言わずと知れた代表作「魔女の宅急便」は、1985年に執筆されました。

多数の著書、翻訳書があり、数々の賞を受賞されています。

 

小さなもみの木に寄り添うような、なんて素敵なタイトル。

日本人の心に刺さる絶妙な表現に、訳者の底力を感じました。

 

こちらのサイト、必見です。

明るさ1000%、1000じゃ足りないかも。

kiki-jiji.com

 

【アンジェリーナのクリスマス】イギリスの名作クリスマス絵本

ロンドンのクリスマス、どんな感じなんでしょうか。行ってみたい。

「アンジェリーナのクリスマス」

講談社 2004年10月第1刷) 

文 キャサリン・ホラバード  

絵 ヘレン・クレイグ  

訳 おかだ よしえ

 

 

この絵本は、世界で愛されている「アンジェリーナ バレリーナ」シリーズの一作。

このシリーズは、1983年に第1作「アンジェリーナ バレリーナ」が出版されて以降、現在に至るまで20作以上の本が出版されています。

本書はその4番目に出版されました。

 

主人公は、バレエを踊るのが大好きな可愛らしいねずみのアンジェリーナ。

フルネームは、アンジェリーナ・ジャネット・マウスリング。

1920年代のロンドンに似た場所であるチッピング チェダーを舞台にした心温まる物語です。

どんなストーリー…

もうすぐクリスマス。

アンジェリーナは学校のクリスマス会で踊るバレエの練習をしています。

帰り道、どの家もクリスマスの飾り付けで明るいのに、一軒だけ暗くて寂しそうな家を見つけました。

家に戻り、おかあさんにそのことを話すと、ひとりぼっちのおじいさんねずみベルさんだとわかります。

アンジェリーナはおかあさんにお願いし、いとこの小さなヘンリーと一緒にクッキーを焼いて、ベルさんに届けることに、、、

 

細やかで優しい思いやりをもつアンジェリーナが、ひとりぼっちのベルさんに届けたのはクッキーだけではありませんでした。それはみんなを笑顔にする大きな大きなプレゼントでした…

この絵本の魅力は…

明るく優しいアンジェリーナは、活発ではっきりしている面もあります。

小さなヘンリーが駄々をこねればビシッと𠮟りつけます。

感情豊かな登場キャラクターの表情が生き生きとしています。

 

およそ100年前のロンドン風の街並みや生活風景も丁寧に描かれていて、クリスマス前のとても味わいある雰囲気を醸し出しています。

煙突から煙の昇る家々、暖かな暖炉のあるリビング、ヒイラギ飾りを施したキッチン。

 

ねずみさんたちが着ている衣装にも注目です。

レモン色、ピンク、藤色、水色、バラ色…品のある優しい色とりどりのバレエ衣装、

アンジェリーナのお父さんが着る落ち着いた色合いの茶色、

お母さんのエプロンの小さな青い模様、

細部まで描き込まれた絵が物語に深みを与えています。

著者について…

作者のキャサリン・ホラバードさんは1948年アメリカ合衆国生まれ。

本書のシリーズと、トゥインクルシリーズが最も有名です。

アンジェリーナバレリーナはテレビアニメ化され、数々の賞を受賞しました。

こちらは、作者の公式ウェブサイトです。

www.katharineholabird.com

 

画家のヘレン・クレイグさんは、1934年イギリス・ロンドン生まれ。

児童書のイラストレーターであり作家です。

ご本人出演で制作作品を紹介しているサイトです。

イラストが描かれる過程が詳細に掲載されていて見応えがあります。

www.katharineholabird.com

【うさぎのぴょんのクリスマス】ぬいぐるみが迎えるクリスマス絵本

今朝方は雪の予報でしたが冷たい雨が降りました。

「うさぎのぴょんのクリスマス」(徳間書店 2004年10月 初版) 作・絵 ハロルド・ジョーンズ  訳 早川敦子

 

 

せっかくの12月なので、クリスマスの本を続けて読んでみたいと思っています。

 

この絵本のサイズは22㎝、32ページと小ぶりです。

上部3/4にイラストが、下部1/4に簡単な文章。文字が読めない小さなお子さんでもひとりで絵を眺めて楽しめそうです。

動物が好きで、繊細で細やかな優しい絵が好きな方におすすめの一冊です。

どんな内容…

主人公はうさぎのぬいぐるみのぴょん。

物語はクリスマスイブの朝から始まります。

外に出たぴょんは、雪で足が濡れ冷たくなってしまいます。

急ぎ家の中に戻ると、部屋はクリスマスの飾り付けと贈り物で賑やか。

 

夜になり子どもたちが寝静まると、窓から小人たちが数人入ってきて、靴下にプレゼントを入れていきます。

その様子を見ていたぴょんを、小人たちは手を繋ぎ連れ出すと、一緒に空を飛んで空中に浮かびトナカイソリで待つサンタクロースの元へ。

 

サンタクロースにほしいプレゼントを聞かれたぴょんは、素敵なお願いをします…

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本書の魅力は…

赤いベストに黄色の服を着たぬいぐるみの白うさぎ「ぴょん」と、森に住む友だちの動物たちが過ごすクリスマスの光景が、とても楽しそう。

踊ったりプレゼントの木の実を食べたり、見ていて温かな気持ちになります。

 

そして、家に戻ったぴょんにもクリスマスプレゼントが。

子どもたちの愛のこもったプレゼントは、いったい何だと思います?

 

1983年に制作された本書の原題はいたってシンプルな「A HAPPY CHRISTMAS」ですが、日本語のタイトル「うさぎのぴょんのクリスマス」がぴったりな物語です。

 

著者のプロフィール…

著者のハロルド・ジョーンズさん(1904~1992年)は、イギリス・ロンドン生まれの画家、版画家、製版画家。

評論家のブライアン・アルダーソンは著者を「おそらくその時代で最も独創的な児童書イラストレーター」と呼びました。

 

イリアム・ブレイクやルイス・キャロルオスカー・ワイルドなど多くの作家の作品の挿絵やブックデザインを手がけています。

その生涯で8冊だけ、自作の絵本も遺しています。本書はその中の1冊。

国際アンデルセン賞のオナーリストに推薦されたほか、アメリカ図書館協会賞を受賞しています。

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【おだんごぱん】パンが主役のロシア民話ロングセラー絵本

だんごといえば、地元の老舗和菓子店のみたらし団子を真っ先に思い浮かべますが…

「おだんごぱん」ロシア昔話(福音館書店 1966年5月 第1刷) 訳 瀬田貞二  絵 脇田和

 

 

本書はロシアの民話で、日本でも50数年間読み継がれている有名なロングセラー絵本だそうです。

「だそう」、そうなんです、私は絵本をあまり読んでこなかったので今回がはじめて。

 

読み聞かせをするとみんな夢中になるという、子どもたちに大人気の絵本です。

どんなお話し…

むかしむかし、おじいさんとおばあさんがいました。

おじいさんが、おばあさんにパンを作ってと頼みまさす。

おばあさんは空っぽに見える小麦箱をごしごしひっかいて、粉をかき集め「おだんごぱん」を作ります。

出来上がったおだんごぱん、じっとしているうちにさびしくなって、ころころと転がり外へ。

うさぎ、おおかみ、熊に食べられそうになりますが、おだんごぱんはそのたびに機転を利かせ歌を唄って逃げ出します。

つぎに出会ったキツネにも食べられそうになって…


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口の上手いキツネにだまされる教訓的なお話しといわれていますが、

その通りと思う一方、こんなことも考えました。

 

アンハッピーなあっけない終わりは、おだんごぱんでなくても現実に起こり、大人になるにつれて人生で一度や二度やもしかしたらそれ以上体験することになるかも。

 

そんな苦い体験した大人が、これから生きていく子どものために、そもそもは食べるための存在であるおだんごぱんを通して、こんな終わりもあることをやわらかく伝えているようにも思いました。

絵本には、結末がシビアなストーリーも結構あると感じますが、読んで恐れたり悲しんだりすることで、現実に対する体力、免疫力がつくという面もありそう。

 

本書の結末はアンハッピーエンドのほかにハッピーエンドもあるのだとか。

おじいさんおばあさんが助けてくれて、ずっと幸せに暮らしたと。

 

けれど、おじいさんもおばあさんもいつかは旅立つときがくるでしょうし、いつまでもそのままだとおだんごぱんにもカビが生えそう…

あれこれ考えてみると、結末はこのままアンハッピーがいいのでは?

 

このお話しの魅力は…

ストーリーもさることながら、繰り返し繰り返しテンポよくでてくる、おだんごぱんが歌う唄に、好きな調子をつけて読むのも楽しい魅力のひとつです。

「ぼくは てんかの おだんごぱん。 ほくは、こなばこ ごしごし かいて…」

 

そして、サッと一気に描いたような絵。全体にじんわり優しい色合い。

おだんごぱんも他の登場するものたちも、可愛らしいとは言い難いけれどどこか愛嬌のある表情。それらが一層の味わいとなっています。

 

画家と訳者について…

画家の脇田和さん(1908~2005年)は、昭和期に活躍した日本の男性洋画家。

童話的で温かな印象を受ける作風が特徴です。

長野県軽井沢町にある脇田美術館には、200点以上の作品が展示されています。

www.youtube.com

 

訳者の瀬田貞二さん(1916~1979年)は、

ナルニア国ものがたり」や「指輪物語」の訳者でもあります。

本書の原題はコロボック、日本語に訳すと「パン」。このタイトルを「おだんごぱん」と訳した訳者の方のセンスも素晴らしいです。

 

 

ちなみに、どなたかのブログによると、「おだんごぱん」を子どもたちに読み聞かせると、最後のシーンでドッと笑いが溢れるそうです。

アンハッピーエンドといわれていますが、無邪気な子どもには、楽しい終わり方なのかも。教訓云々は、私の深読みだったかな?

 

【こどものなかま】なかまって何かな?が目で見てでわかる絵本

今週は、選手だけでなく監督、スタップ、サポーター、みんなの熱いチームプレーが花開いた週でした。

「こどものなかま」(BL出版 2016年12月 第1刷) 作 レイン・スミス  訳 青山南

 

 

どんな絵本…

小さな子どもに「なかま」って何か、どういう意味かを言葉で伝えるのは難しそうです。

「なかま」(仲間)を改めて辞書で調べてみると…

  • いっしょに物事をする人
  • 同じ仕事をする人、またその集まり
  • (類語として)同類・伴侶・類い
  • 相棒、一味、同士、同僚、同輩、友達、友人

次に、絵本の原題を見てみます。

原題だと、「THERE IS A TRIBE OF KIDS」

google翻訳で、「こどもの部族がいる」(ちょっとかたいですが)

さらに、「tribe」を見てみます。

Weblio翻訳で、

  • (同一の血統を持ち、上に族長をいただいて群居する)種族、部族、…族
  • 古代イスラエル人の)支族
  • 【動・生物】族、類
  • 連中、手合い

さてさて、一緒に仕事をしなくても「仲間」と呼べる関係もあるし、部族じゃますますわかりにくい…そんなときに。

本書は、絵のなかの男の子を追いかけていくうちに「なかま」って何かを自然に理解していくことのできる絵本です。

 

どんな内容…

緑の葉っぱで作った服を着て、同じ葉っぱの靴を履いた小さな男の子がひとり、いろいろな「なかま」を見つけては一緒になって遊んでみます。

最初はヤギ、つぎはペンギン、海に…空に…大地に…

男の子が「なかま」になるのは動物だけじゃありません。岩も草も男の子にとっては「なかま」です。

 

画面いっぱいに描かれた細やかで楽しげなイラストに、簡潔なことばが添えられています。

深みのある優しく美しい色合いと、男の子と「なかま」の穏やかで可愛らしい動きに、次のページをめくるのが愉しみになります。

そしていろいろな「なかま」と触れ合ったあと、男の子がたどり着いたのは…

 

著者は…

1983年、カリフォルニアの美術大学を卒業。絵本作家、イラストレーターとして多方面で活躍しています。本書は、ケイト・グリーナウェイ賞を受賞。

前に記事にした「ペンギンのこまりごと」でもイラストを担当している方です。

tokinoakari.hatenablog.com

 

こんなところにも注目を…

ヤギと遊んだりペンギンと遊んだり、男の子はとても楽しそうなのですが遊びのおわりはどこかさびしそうなのです。

どうしてかな?なんでかな?

もし、お子さんに読み聞かせをするときは、そんなところもお子さんに問いかけながら読み進めていただきたい作品です。

 

【オーロラの雪】フィンランドの人気作家によるクリスマス絵本

冬のスポーツといえば、スキーやスノーボード。もう何十年と行っていませんが、山頂の澄んだ空気感は今もはっきりと覚えています。



「オーロラの雪」(猫の言葉社 2013年1月 初版) 文 リーッタ・ヤロネン  絵 クリスティーナ・ロウヒ  訳 稲垣美晴

 

 

どんな絵本…

実はこの絵本を読もうと思ったきっかけは、出版社の名前「猫の言葉社」。私は今回初めて知りました。ステキなネーミング。由来は?後でこちらも調べてみたい。

 

まず絵に心を惹きつけられました。

綿菓子に色を付けてコラージュしたかのような、やわらかなタッチと色合い。

とても寒い土地や風景が舞台ですが、温かく包み込まれる気持ちになる絵です。

 

どんなストーリー…

赤いアノラックと赤いスキーズボンに、猫耳のついたベージュのニット帽をかぶった少女サリが主人公。

サリは最近この辺りに引っ越してきたばかりのようです。

今日は前にお母さんと通った山道を、ひとりでスキーで回ります。

 

除雪車が通った雪道を降り、線路の近くから、湖に、森に、洞窟に、

あるときは思い出をたどりながら。

あるときは自分の息づかいと何かの物音を感じながら。

 

この絵本は、クリスマスの前の日、サリという女の子が、ひとり静かに自分と向き合う物語です。

 

サリの引っ越しは、ある悲しい出来事によります。

けれどサリはそれを嘆いているのではありません。

静かに大地に触れ自然に抱かれながらサリが思う言葉に、新たな決意を感じました。

 

帰り道、サリが野生のもみの木にステキなプレゼントを贈ります。

そのお返しでしょうか、サリにも大自然の美しい贈り物が…

 

凍てつく冬はこんなにも美しいと感じることのできる物語。

サリという大人でも子どもでもない、ひとりの少女の美しい心に触れてみませんか。

著者について…

文:リーッタ・ヤロネンさんは1954年フィンランド生まれの作家。新聞記者を経て、1990年より作家活動に専念する。いくつもの文学賞を受賞し、絵本「木の音をきく」は、フィンランディア・ジュニア賞を受賞、各国で翻訳されています。本書はその続編にあたる作品です。

 

絵:クリスティーナ・ロウヒさんは、フィンランドの人気絵本作家、イラストレーター。表現力に定評があり、フィンランドで「最も美しい絵本」に二回選ばれています。「木の音をきく」3部作の絵の芸術性は特に高く評価されています。

猫の言葉社について…

HPがありました。それによると猫の言葉社は、「フィンランドの文化を日本の皆様に伝える出版社として、2008年4月にスタートしました」。

代表は本書の訳者でもある稲垣美晴さんです。著書に「フィンランド語は猫の言葉」というエッセイがあります。

 

ボリビア出身の作家の絵本・ラマと少年の物語【カルイタの伝説】

ブラボー!ブラボー!ブラボー!

大寝坊して慌ててTVをつけたら日本勝利の文字。大大大金星!

「カルイタの伝説」(蝸牛社 1984年12月 第1刷) 文 アナ・マリア・デル・カルピオ  絵 デリオ・カルレス  訳 金田 直子

 

 

南アメリカ大陸のほぼ中央に位置するボリビア

日本の約5倍の面積に、熱帯森林やサバンナなど多彩な自然を有しています。

 

なかでもアルティプラーノと呼ばれる、ボリビアの西、アンデス山脈が二つの山系に分かれた平坦な高原地帯は、国の人口の約40%が集まっている地域です。

 

平均海抜が3000~4500mの寒冷地に広がるアルティプラーノでは、高地に適したラマ(リャマ)やアルパカの放牧が盛んです。

アルパカは柔らかい毛を毛織物の素材とするため飼育されていますが、ラマは主に荷役運搬のために飼育されています。



どんなストーリー…

物語はチャンビ家の一人息子の少年ペドリトと、その家に生まれた美しい赤ちゃんラマの出会い、成長、奇跡を綴ります。

登場人物の肌の色や色彩豊かな民族衣装に、中南米の国ボリビアの雰囲気が感じられます。ラマが重要な存在として登場する物語、舞台はアルティプラーノのようです。

 

少年ペドリトは、誕生した赤ちゃんラマに「カルイタ」という名前を付けました。雪もミルクもかなわないほどの、真っ白な毛並みのカルイタ。

 

ふたりは共に成長し、お互い無くてはならない存在になります。

弱かった少年ペドリトは、村一番の元気な少年に、

そして赤ちゃんラマだったカルイタは村一番の美しいラマに成長しました。

ところがそんなカルイタに大変な出来事が…

 

大切な親友カルイタを守るために、ペドリトが取った行動は?

少年の純粋で真っ直ぐな強い思いが、大きな大きな奇跡を呼ぶ物語です。



ボリビアについてもう少し…

ボリビアは、日本のほぼ真裏に位置しています。

国旗は、赤・黄・緑の三色旗。

赤は独立戦争で流された血と犠牲、黄は豊かな鉱物資源、緑は森林資源を表わす色。

中央の紋章には国を象徴するポトシの丘、コンドル、ラマ、パンの木、太陽、州の数を表す9つの星が描かれています。

この絵本のテーマにもなったラマは、国旗に描かれるほどボリビアでは大切な存在です。

 

この絵本は、以前も記事にした野間児童絵本原画コンクールの応募作。コンクールについては、よろしければこちらを参考に。

tokinoakari.hatenablog.com

 

国の長い紛争で、経済が疲弊し続けているという側面もあるボリビアですが、自然や動物と共存する美しい国です。

有名な観光地として、東京都の5倍の面積がある広大なウユニ塩湖があります。