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一期一会の本と日常のおはなし

【へびのクリクター】へびなのに?

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それとも、へびだから?へびってどうですか。

「へびのクリクター」

文化出版局 1974年3月20日 第1刷発行)

作/トミー・ウンゲラー 

訳/中野完二

どんな絵本…

長く長~く愛されている絵本です。

日本語版がはじめて発行されたのは1974年

私が図書館から借りてきて今手元にあるのは

1992年発行の第41刷。

 

原作は1963年にタイトル「CRICTOR」として

スイスチューリッヒの出版社

「Diogenes Verlag AG」から発行されました。

 

作者のトミー・ウンゲラーさん(1931-2019)は

ストラスブール生まれの

フランス人児童文学作家、イラストレーター。

代表作に「すてきな三にんぐみ」や

「エミールくんがんばる」などがあります。

どちらも未読ですが、表紙絵は見覚えがあります。

今回の作品を読んで、作者の別作品にも

大変興味を持ち、読んでみたいと思いました。

どんなお話…

タイトル通り、へびが主人公です。

クリクターはへびの名前。

フランスの小さな町に住む

ルイーズ・ボドさんというご婦人の元に

ブラジルで爬虫類の研究をしている

息子さんから贈り物が届きます。

 

息子さんからの誕生日プレゼントは

大きなドーナツ型の丸い箱。

箱を開けたボドさんはびっくり!

そこにはへびが一匹入っていたのでした…

 

大蛇系のこのへび

なんとも愛されキャラなのです。

 

性格の良さもさることながら

イラストが愛され度を押し上げています。

素描画のような軽いタッチの線で

描かれたイラストのなかで

へびのクリクターもなんだかとても

愛嬌のあるお顔です。

体つきのうねうね感も怖くない

むしろコミカルで親しみを感じます。

 

とてもお利口なへびのクリクターは

教師のボドさんと一緒に

なんと学校でお勉強までするのです。

人間の子どもたちに混じって

一番前の席で授業に参加しても違和感なし

(いや、あるかも~)

ボドさんにたっぷりの愛情を注がれて

すくすくと育つふたりの仲良し生活は

とても微笑ましいものです。

 

物語はある事件が起きて

クリクターが勲章をもらうほどの

大活躍をするのですが、お終いまで

温かい気持ちのまま読み終えることができました。

 

へびだけど、いやいやへびだから?

苦手な方もへびを見る目が変わっちゃうかも。

イラストから受けるフランスの

小粋な雰囲気も味わいながら、

この愉快な作品にぜひ触れてみてください。

 

以前紹介したへびが主人公の作品も。

tokinoakari.hatenablog.com

tokinoakari.hatenablog.com