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一期一会の本と日常のおはなし

【うさぎのいえ】ロシア民話こどものとも傑作集

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英題は"A Rabbit's Little House"

「うさぎのいえ」

ロシア民話

こどものとも》傑作集

福音館書店 1969年2月発行) 

再話 内田莉莎子 

画 丸木俊

どんなお話…

森に住んでいる一匹のしろうさぎ

もみの木の下に、小さい家を建てて

屋根には白樺で雄鶏を作って飾りました。

 

そこへ

口の上手い、ずる賢いきつねが訪ねてきて

うさぎの家に入り込むと

うさぎを追い出してしまいます。

 

(ひど~~~~い!なんで?)

 

うさぎが泣きながら

のおじさんに事情を話すと

助けてくれると言いますが

きつねが怖くてうまくいきません。

 

つぎに出会ったひつじさんも同じ。

きつねの悪知恵に負かされてしまいます。

 

悲しくてうさぎが大泣きしていると

通りがっかたおんどりくんが

きつねを追い払ってくれるといいますが…

 

犬や羊より力の弱そうな雄鶏が

きつねを追い払うことはできるのでしょうか。

 

強さとは腕力の強弱だけじゃない

こんな方法もあるんだと

知恵の大切さを教えてくれます

 

(・・・それにしても

なんできつねはこんなにいじわるなの?)

作者について…

再話の内田莉莎子さん(1928ー1997)は

東京生まれ。早稲田大学露文科卒業。

1964年児童文学研究のためポーランドに留学。

ロシアや東欧などの

多数の絵本や童話の訳書を手がけています。

以前記事にした「わらのうし」や

「しずかなおはなし」もその中の作品です。

tokinoakari.hatenablog.com

tokinoakari.hatenablog.com

画家の丸木俊(まるき・とし)さん

(1912ー2000)は北海道生まれ。

 

夫の丸木位里さんとの共同制作絵画

原爆の図」は世界各地で展覧会が開催され

原爆の被害を多くの人に伝える役割を果たしました。

世界平和文化賞を受賞。絵本作品も多数あり

「日本の伝説」で第3回ブラティスラヴァ

世界絵本原画展のゴールデンアップル賞

ひろしまのピカ」で第3回絵本にっぽん大賞

などを受賞しています。

 

本書では、墨を使ったような黒色が特徴的です。

 

また、画家は20代のころ

家庭教師としてモスクワに赴任したり

同時期にパラオ諸島やヤップ島を旅しています。

 

本書に描かれている深い森の木々や草花の色合い

うさぎの家のペチカや

大きな赤い花柄のカーテンとカーペットに

実際に画家がその目で見て感じた異国

の影響がうかがえました。

 

埼玉県東松山市にある原爆の図 丸木美術館のサイトです。

marukigallery.jp

共同制作《原爆の図》を、

誰でもいつでもここにさえ来れば

見ることができるように

という思いを込めて建てた美術館」とのこと

画家のことを知れば知るほど

訪れてみたいと思うようになりました。