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一期一会の本と日常のおはなし

【キオスク】お店と一体化しちゃってる⁉

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店員オルガの夢はどんな夢?

「キオスク」

潮出版社 2021年5月1日 初版発行)

作/アネテ・メレツェ 

訳/くろさわあゆみ(黒沢歩)

どんな物語…

さて「キオスク」とは。

改めて意識してみるとよくわかってない自分。

まずはキオスクを調べてみることにしました。

 

日本では駅売店キヨスクと呼ばれていますが

この絵本のなかの形態はちょっと違います。

 

ウィキペディアによるとキオスクは

中東や地中海沿岸などで発達した、庭園の簡易建造物

そこから現在のヨーロッパなどでは

仮設小屋の一種で、一方の壁面に大きく開いた窓のあるものを指す。…

道路や公園などにキオスクを設置して新聞、雑誌、地図、ライター、タバコ、菓子など安いものを売っており…

とありました。

この絵本のキオスクはそんな

道路の真ん中に設置された

キオスクのなかで働く女性オルガのお話です。

 

物語の魅力は…

長年働いてきたからなのか

オルガの身体はキオスクのサイズに

ぴったり収まって、キオスクのドアから

外に出ることができません。

食事も歯磨きもキオスクの中、

もちろん就寝もキオスクの中です。

 

オルガの日常は、同じことの繰り返し。

新聞を買うお客さん、タバコが目当てのお客さん…

不満があるわけではないのですが

窓から見えるのはいつも同じ見慣れた景色。

オルガには海辺の夕日を眺めたいという

ささやかな夢がありました。

 

ある日オルガのいつも通りの日常に

ほんの些細な変化があります。

その指先わずか数センチほどの違いが

オルガを思わぬ世界へと運んでいくのです。

 

愉快で微笑ましいストーリーにぴったりの

カラフルでポップでマンガチックな

見ているだけで楽しくなっちゃうイラストも必見です。

 

キオスクサイズのオルガの愛らしくコミカルな動作に

日々の悩みも吹き飛んでしまいそう。

 

作者と本作ついて…

作者のアテネ・メレツェさんは

1983年ラトビア生まれ。

ラトビア芸術大学

ルツェルン応用科学芸術大学で学び、

現在はスイスのチューリッヒを拠点に

絵本やアニメの創作活動をしています。

 

本作絵本と同じストーリーの

短編アニメ映画「キオスク」があり

世界各地の映画祭で受賞しているそうです。

YouTubeにも

同アニメーションが掲載されていました。

www.youtube.com

年末年始は、なにも余計なことは考えず

オルガとキオスクの世界に

すっぽりとハマってクスッと笑って

良いお年をお迎えくださいませ。