子どもは空想、おとなは妄想？
「アパートのひとたち」
～The Neighbours～
（光村教育図書 ２０２１年１月 第１刷）
作 エイナット・ツァルファティ
訳 青山南
どんな物語…
雨の日のようです。
黄色いレインコートに
赤い長靴
緑色のカエルの形をした傘を持った
赤毛の女の子「わたし」
学校の帰りかな？
傘と同じ緑色のリュックを背負って
家に帰るところ。
このお話は「わたし」が住んでいる
７階建てのアパートが舞台です。
「わたし」の家のある７階まで
階段を昇りながら
各フロアのドアの前でひとやすみ。
そのドアがちょっと変わっています。
どの階のドアも形や色が違います。
ドアの前でひとやすみした女の子が
そのドアの形や色や装飾や
ドアの前に置いてあるものから
ドアの奥の住人を想像するお話です。
絵本の場面構成が楽しく
この絵本の見どころとなっています。
ドアの前の場面では
女の子とドアと細い階段の手すりだけ
かなりあっさりした描き方です。
その次のページ
女の子の空想の世界
ドアの奥の住人たちの部屋は
全く逆のにぎやかな世界。
そのにぎやかさも十人十色。
びっくりするような色鮮やかさと
隅々まで緻密に描き込まれた
部屋の様子とその住人たち。
ページをめくるたび
マジックショーを見ているような
わくわくする驚きがあります。
作者について…
作者のエイナット・ツァルファティさんは
１９８６年イスラエル・ハイファ生まれ。
イラストレーターであり、雑誌、絵本、
おもちゃ、アプリ、デジタルアートの作家。
ベツァレル美術学校でイラストと
グラフィックデザインを学びました。
本作が絵本作家としてのデビュー作で
世界１８カ国で翻訳されています。
こちらは作者の児童書やコミックのイラストが
豊富に掲載されているサイトです。
https://cargocollective.com/einat
Facebookも。
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Instagramもあります。
https://www.instagram.com/einattsarfati/
子どもの空想力の豊かさを垣間見るような
新鮮な驚きを感じる絵本です。
