hon de honwaka

一期一会の本と日常のおはなし

【いいもの みーつけた】森に落ちていたのは…

当ブログではアフェリエイト広告を利用しています

みんなが大好きなアレでした

「いいもの みーつけた」

新日本出版社 2012年12月30日 第1刷)

文・絵 レオニード・ゴア

訳 藤原 宏之

どんなお話…

森の中に落ちていたのは、一冊の本

鮮やかな赤色の表紙が印象的

森に住む動物たちはみんな興味津々です

子ウサギも大きなクマもネズミの家族も

その本を一目見るなり惹きつけられます

 

でも、みんなそれが「本」だとは知りません

それぞれがそれぞれに合った使い方を考えます

帽子にしたりテーブルにしたり

体の大きさに合わせたり

その時の動きに合わせたり

 

動物たちの自由な発想と

それを表現したイラストがユニークで

思わずクスッと微笑んでしまいます

 

森の動物たちにいろいろな使い方をされた本

 

物語の最後に現れた

賢い人間の男の子に拾われることになります

 

その男の子は森の地面に落ちていた

赤い本を手に取るとページをめくって…

 

さて男の子はどんな使い道をしたでしょうか

 

この絵本の魅力は…

原作の英文タイトルは

THE WONDERFUL BOOK」(素晴らしい本)

作者の本への愛が溢れたタイトルです

冒頭の読者に対するメッセージには

おとなから こどもまで

本が だいすきな

せかいじゅうの いきものたちの ために

と書かれています

 

イラストのユーモラスでほのぼのした雰囲気は

柔らかく細い線で描かれた輪郭に

ブラシの動きを使って立体感を出した色付けで

巧みに表現されています

 

デフォルメとシンプルが優しく溶け合って

どの動物も親しみを覚える動作や表情です

 

大きい動物も小さい動物も

自分に合った使い方を考えて試してみる姿が

愛嬌があって見ている側も楽しくなりそう

 

本にこんなに使い道があったなんて!

と感心したり笑ったりしましたが

ふと自分も昔、分厚い広辞苑を枕がわりにしたり

重しに利用したことを思い出しました

 

そして…

もちろん最後は見事に

本は本としての役割を果たします

それは男の子も、森の動物のみんなのことも

心から楽しませて笑顔にするものでした