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一期一会の本と日常のおはなし

【天の火をぬすんだウサギ】ウサギが選ばれたワケは。

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なぜ、火ができたか、知ってます?

「天の火をぬすんだウサギ」

(評論社 昭和62年11月初版)

作 ジョアンナ・トゥロートン 

訳 山口文生

どんな絵本…

本書の後ろそでに表記された解説によると

 

北米インディアンに伝わる

「火の起源伝説」の代表的なふたつの話が

もとになって創られた作品。

 

「なぜ、火ができたか」

神話における重要なテーマをもとに

地上に住む動物たちの活き活きとした活躍が

楽しく描かれています。

どんなストーリー…

大昔、地上には火がなくて

どこもかしこも寒かったころ

 

山の上に住む天の人のところには火がありました。

天の人は、地上の動物たちに火を分けてくれません。

(ケチですね、既得権益独り占め感情は昔から人間の特性?

 

そこで動物たちは火を盗る相談をはじめます。

選ばれたのは

勇敢なクマでも物知りのオオカミでもなく

ウサギ

そのわけは

いちばんかしこい

いたずらにかけては、おうさま」だから。

 

それではと、賢いウサギが

羽飾りに松脂を塗って作った王冠を被り

山の上に向かい歩いていると

道の途中で天の人たちに出会います。

 

天の人は一斉にウサギを警戒します。

あいつは、うそつきだ。

いつも、わるさばかりする。

みんな、だまされちゃいけないぞ

(相当な警戒心、過去に一体何が?)

 

それなのに、天の人たちは

ウサギの巧みな話術に惑わされます。

踊れば願いが叶うというダンスを

教えてもらうためウサギを連れて山の上へ…

この本の魅力は…

ウサギが天の人にダンスを教える場面の絵が

とても愉快です。

コミカルでいたずらっ子なウサギの

ひょうきんな表情をぜひ見ていただきたい。

 

この絵本の原作は1979年

今から44年前に発表されたものですが

イラストはユーモアにあふれて新鮮です。

 

物語の後半の

首尾よく火を盗むことに成功したウサギと

ほかの動物たちのチームプレーも見どころ。

 

クスッと笑える動物の可笑しな仕草も

さりげなく描かれていますのでお見逃しなく。

北米インディアンとは…

南北アメリカ大陸に住む、

エスキモー・アレウトなどを除く先住民の総称。

現在ではネイティブアメリカンとも呼ばれます。

 

しめくくりに

彼らの動物や自然に対する考え方を記した箇所を

本書そでの解説から抜粋しご紹介します。

北米インディアンの間では、動物は、

神秘的な力を持つ神聖な存在で、その

力を借りられる人間が、勇者として、

いさおしをたてることができる、つまり

人間が生きていくためには、人間以外の

自然から助けてもらわなければならない、

と考えられていました。

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