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一期一会の本と日常のおはなし

【もりねこ】大きくなりすぎちゃった猫の絵本

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私も背中に住んでみたい。

「もりねこ」

(文研出版 2020年10月 第1刷) 

文 くさかみなこ  

絵 品田紗桜里

どんなストーリー…

最初は普通の子ねこだったのに

だんだん大きくなって

犬よりも

牛よりも

ついには

木よりも大きくなっちゃった

中身(心)は普通の猫もりねこが主人公。

 

なんでも「過ぎ」てしまうと

周囲の目が厳しくなるようで。

それは自分の考えの及ばないことを

恐れたり不安に感じたり

そういったマイナスイメージから

引き起こされる感情でしょうか。

 

自分の望みでというわけでもなく

大きくなっちゃったもりねこにとっては

どうしようもないことなのですが。

 

森の動物たちはそんなわけで

怖がって近づいてこないので

もりねこはいつもひとりぼっち

ひとりぼっちも きらくでいいさ

とつぶやく日々が続いていました。

 

けれどある日、ふとしたことから

もりねこの周り、というか背中に

森の動物たちが集まってきます。

 

猫を抱っこしたことがある方なら

その感触を思い出して納得?

愛猫と一緒に寝ている方は

そのぬくぬくとした温かさを一瞬で

思い出しそう。

 

この絵本は

大きくなりすぎて敬遠されてしまった

本当は心優しいもりねこ

猫ならではのとっておきの魅力によって

動物たちの人気者になるお話。

 

小さなお子さんにも楽しく読める絵本です。

イラストの見どころを…

読み進めるうちにどんどん

心が温かくなるお話に力を添えるのは

画家の品田紗桜里さんによる

どこか愛嬌があってコミカルな雰囲気のイラスト

 

まずもりねこの顔は俗にいう「こわもて」です。

眠っているところは普通に可愛いのですが

起きると目つきがちょっと怖そうにみえます。

でも、この怖そうな目からポロポロ涙がこぼれると

胸がきゅんと締め付けられてしまいます。

 

ちょっととぼけた感じの動物たちの動きにも

注目してください。

 

そしてなんと言っても色合いが印象に残ります。

夜が明けたばかりの深い森のような色

ターコイズブルーターコイズグリーンをベースにした

もりねこと森のなかの風景は心を穏やかにします。

 

品田紗桜里さんは

ゆうゆう絵本講座で絵本制作を学び

「かいじゅうシタムキ―」で

第10回武井武雄記念日本動画大賞

絵本部門ミライ賞を受賞しています。

 

画家の公式サイトです。

HOME - 品田紗桜里-SAORI SHINADA-

こちらのサイトには

ワクワクするようなイラストが満載です。

前出の絵本「かいじゅうシタムキ―」の

詳しい解説も掲載されていて

ぜひ読んでみたい気持ちになりました。