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一期一会の本と日常のおはなし

【家をせおって歩く かんぜん版】タイトルそのままの本です

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家って背負えるんだ⁉

「家をせおって歩く かんぜん版」

福音館書店 

2016年3月1日発行

2019年3月10日 増補版第1刷) 

作 村上慧

 

どんな絵本…

表紙を開いた瞬間に、

その光景に吹き出してしまいました。

 

この作品は、写真絵本となっています。

イラストは全て著者によるもの

そこに、こちらも著者による実体験を収めた

歩く家の写真が掲載されています。

 

家に足が付いているわけではありません。

まさに著者が自身手作りの家の中に入って

家を背負って歩いているのです。

 

だた歩いているのでもありません。

著者はそこに住んでいます。

全国各地、果ては日本を飛び出し海外で

その土地土地の、どなた様かの土地をお借りして

住んでいきます。

 

そう、家に住むためには土地が必要です。

どんなに小さい

この場合なら人がひとり寝転ぶスペース

狭い家でも土地がなければ住めませんし

無断で勝手に住み着くこともNGです。

 

そのため著者は

あらゆる場所で、土地の所有者に許可を得てから

その地に落ち着きます。

 

道路を歩く様子はまるでゆるキャラ

四角い窓が前と左右についた

それでもしっかり屋根付きの

全体が白い小さな家からは

著者の膝下から足だけが見えています。

 

家の素材は発砲スチロール

ドアにはポストや鍵

表札もついていれば、神棚も備えられています。

材料費は合計2万円くらいだそうです。

外観は飾りもついてオシャレです。

 

著者による持ち物のイラストを見ると

衣類に寝袋にパソコンと生活必需品が揃っています。

 

本書では家で生活するために必要な

「食べる」ことや「眠る」ことから

雨風から「家を守る」ことまで

さまざまな事柄をユニークな写真とイラストで

具体的に紹介しています。

 

絵本の魅力は…

これを見ていたら自分もやりたくなる人が

きっといるんじゃないかと思いました。

私もちょっと興味をそそられています。

 

著者の村上慧さんは

1988年生まれ。東京都育ち。

武蔵野美術大学造形学部建築学科卒業。アーティスト。

2014年4月から自作した発砲スチロールを

使って生活を始める。(本作プロフィールより)

 

旅する家とともに歩く著者は

その土地の人や風景との出会いも綴っています。

車なら一瞬でわき目もふらずに通り過ぎる商店街にも

そこに住む人たちの生活があり笑顔があり

美しい空や山並みがあり美味しい空気があることを

歩く家は教えてくれました。

 

発想のユニークさにひたすら感心し

楽しそうな数々の写真やイラストに

固定観念にとらわれない

自由な考え方と実行力はこれからの時代一層

必要になるのではないかと感じた本でした。