ふたりはいつも一緒です。
「しおちゃん と こしょうちゃん」
(福音館書店 1993年4月月刊「こどものとも年中向き」発行 2016年2月「こどものとも絵本」 第1刷)
絵・訳 河本祥子
読んであげるなら 3才から
自分で読むなら 小学校初級むき
どんな絵本…
原題は「PEPPER AND SALT」
作者のルース・エインズワースさん(1908~1984)は
子どものために詩集を出版後、ラジオ番組向けに
いくつかの物語を書いたそうです。
この物語も自身の子どもに向けて書いたのでしょうか。
とても温かい優しい後味が残る作品です。
どんなお話…
ふたごの子猫
まっしろな子は「しおちゃん」
白に灰色の毛の子は「こしょうちゃん」
ふたりのママは美しいトラ柄の「タビーふじん」
主人公はこの三匹。
訳者の描いた
柔らかくてホッとするようなイラストも素敵です。
腕白で元気いっぱいの子猫たちの周りには
ママといつも過ごしているキッチンや
家を囲む自然豊かな庭
家の屋根よりずっと大きな一本の木。
ふたりはいつもお互いのすることをまねっこ。
ミルクを飲むのも
しっぽを追いかけるのも木登りも。
木登り…
しおちゃんとこしょうちゃんは
お互いに張り合って背の高い木の天辺まで行きました。
けれど、登るのはいいけど降りられません。
どうしよう、困ったふたりは
鳥や飛行機に助けを求めますがうまくいきません。
慌てるふたりにますます大変な事態が…
絵本の魅力は…
ドキドキハラハラしながら
最後まで安心して読み聞かせできるお話だと思います。
困り果てたしおちゃんとこしょうちゃんを助けたのは
もちろんママのタビーふじんでした。
ふたりのすることをちゃんと見守っていたんですね。
いともたやすくふたりのもとへやってきた
頼りになるタビーふじんの
ふたご救出シーンに思わず笑みがこぼれました。