三姉妹の目的は？
「やまのねこやしき」
日本の民話えほん
（教育画劇 １９９９年１２月１５日 初版発行）
文 さねとうあきら（実藤 述）
画 いのうえようすけ（井上洋介）
どんなお話…
むかしむかしのお話です。
道に迷った旅人がたどり着いたのは山奥のお屋敷。
美しい三人の娘が泊まっていくようにと
家のなかへ招き入れてくれますが…
そこは怪しい猫屋敷だったのです。
三人の娘の本当のすがたは
人間を猫に変えようとする化け猫。
お屋敷で振る舞われた食事や風呂をいただくと
もじゃもじゃの毛が生えてきて猫になるという
恐ろしいような一方試してみたいようなことが
待ち構えていたのでした。
旅人はそんなこととは露知らず
お風呂に入ろうとしますが
風呂焚きのおばばに止められます。
おばばは旅人に理由を伝えると
すぐに逃げるようにと裏口まで案内してくれました。
このおばば、実は旅人の隣の家に住んでいた三毛猫。
そのころ優しくしてくれた旅人を助けようとしたのです。
大急ぎで山を駆け下る旅人を
三人の娘が目を吊り上げた恐ろしい形相で
手にはそれぞれ湯桶を持って追いかけてきました…
いのうえようすけさんの画は
墨で描かれた山並みや古いお屋敷が
山水画のような雰囲気もあります。
三人娘が旅人を追いかける場面は
暗い夜道を着物も黒髪も振り乱して
風を切って飛ぶように走っています。
デフォルメされた娘たちの顔や姿が
動きと勢いもあり恐ろしさを醸し出しています。
読後の感想を…
さて、
人間を猫に変えようとしたのも猫ですが
人間を助けようとしたのも猫。
みなさん、猫を見かけたらできるだけ親切に。
いざというとき助けてくれるかも？
