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一期一会の本と日常のおはなし

【たにし長者】日本の民話えほん

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知っているようで知らないタニシ。今回だいぶ詳しくなりました。

「たにし長者」日本の民話えほん

教育画劇 1996年8月 初版)

文 岩崎京子  

画 長野ヒデ子

こちらは日本の昔話です。

 

どんなお話…

働き者の夫婦が

水神様にお願いして

授かった子どもは

タニシの子でした。

 

夫婦は水神様に感謝して

とても小さいタニシの子を

大切に大切に育てます。

 

10年20年経っても

タニシは大きくならず

言葉も話しませんでしたが

それでも夫婦の愛情は

全く変わらず大切に育てます。

ここでタニシについて

タニシは漢字で田螺

英語ではriver snails(直訳・川カタツムリ)

 

日本では水田や用水路、池などが生息地です。

 

ウィキペディアによると

特筆すべきはその摂食法の幅の広さ

とあります。

刈り取り食者であり

(藻類などを削り取って食べる)

デトリタス食者であり

(水底の沈殿物を食べる)

濾過摂食者でもあるそう。

(水中の懸濁物を鰓で集めて食べる)

 

どこででも生きていけそう。

環境に順応する力が高いのですね。

 

本書の中でも主人公のタニシが

出されたごちそうをすべて上手に食べて

長者様に気に入られる

という場面があります。

さらに「田螺長者」を検索すると…

少しずつ本書と違う説があることを知りました。

 

若い夫婦 ➡ 年老いていたり

水神様 ➡ 観音様だったり

タニシの現れ方も膝の上 ➡ 出産だったり

 

果てはタニシ ➡ カエルやナメクジだったりも。

(こうなるともう「たにし長者」ではないですね)

 

民話が語られた

その土地の地域性だったり

語った人物の好みが

反映されているのでしょうか。

それではお話の続きを…

タニシを気に入った長者様

娘を嫁にと申し出ます。

 

よく働く美しい嫁は

タニシとラブラブです。

 

お祭りの日

嫁の帯に挟まれて一緒に出かけたタニシ

鳥居のところで嫁がお参りするのを

待っていることに。

 

ところが

嫁が戻ってくるとタニシがいません。

泥だらけになって田んぼのなか

タニシを探す嫁の前に現れたのは…

再び田螺長者検索から…

本書のお話でタニシは

嫁の懸命な真心により

立派なすがたの人間の男になるのですが

別なバージョンも存在します。

 

鳥に襲われて殻が割れたため、とか

お湯をかけられたため

お参りしたことのご利益だった、など。

 

さてさて

みなさんはどんな結末がお好みですか?