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一期一会の本と日常のおはなし

【レイチェル・カーソン物語】なぜ鳥は、なかなくなったの?

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主人公は1962年「沈黙の春」を出版しました。

レイチェル・カーソン物語」

なぜ鳥は、なかなくなったの?

西村書店 2022年10月4日 初版第1刷発行) 

文・絵 ステファニー・ロス・シソン  

監修 上遠 恵子  

訳 おおつか のりこ

 

どんな絵本…

沈黙の春

この作品は環境汚染に対する警告の本です。

内容に詳しくなくても、

このタイトルをご存知の方は多いのでは?

私もそのひとり。

 

確かな調査と研究によって

農薬などの化学物質が自然界に及ぼす

悪影響について明らかにした本です。

 

発表した当初は激しく反対する意見も出て

作者本人まで否定する人もいたほど

物議を醸した作品です。

その後、作者の語る内容は正しいことが証明され

自然界と化学物質との関連が見直され

世の中の意識が大きく変わるきっかけとなりました。

 

この絵本は

そのレイチェル・カーソンさんの子ども時代

「彼女がどんな環境で育ったのか」

「子どものころどんなことに興味があったのか」

 

大学に進み生物学を学ぶことになった成り行き

 

海洋生物学者として働いているときの姿勢

 

作家として海や海の生きもののことを本にし

沈黙の春」を書くに至るまでの

その人となりを魅力的に描いています。

 

作品の魅力は…

表紙をめくると見開きにレイチェル・カーソンさんの

まっすぐな言葉が目に飛び込んできました。

自然の なかでは すべての ことがらが つながっています・・・

 

子どもの頃から

自然の奏でるさまざまな音を聞き愛していた彼女。

いつも自然が身近にあった様子が

素朴で優しい温もりを感じるイラストで表現されています。

 

レイチェルにとって

「自然のなかの音がどんなふうに聞こえたか」

そのことを、音のする事象の近くに

小さな吹き出しをつけて擬音で表した場面は

とても心地良く楽しいものです。

 

鳥の鳴き声も虫の羽音も

種によって全く違うことも見て取れます。

 

レイチェルは大人になると

美しくも不思議な自然の在り様を

科学の視点で描いた多数の書籍を発表しています。

その中で最も有名な作品が「沈黙の春」です。

 

幼い頃から常に自然と共に生き、自然を愛し

学者となったレイチェルだからこそ

自然の音が聞こえなくなっていることに気づき

その原因を自分なりに探し求めていったのだと

この絵本の物語を読んで詳しく知ることができました。

 

最後は裏表紙見開きに書かれた彼女の言葉を。

わたしたち人間は、生命という ひとつの大きな 流れのなかにいます・・・

 

私たち人間は流れのなかの一員です。

ひとりひとりがこのことを

しっかりと自覚しなければならない時が来ています。