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一期一会の本と日常のおはなし

【ぞくぞく ぞぞぞ】きゅーはくの絵本

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きゅーはくって?

「ぞくぞく ぞぞぞ」

きゅーはくの絵本⑤化物絵巻 

推薦水木しげる 

フレーベル館 2007年3月15日 初版第1刷発行) 

企画・原案 九州国立博物館

 

ふたたび、涼を求めてお化けものです。

どんな絵本…

江戸時代に描かれた化物絵巻のなかから

選者が「これぞ」とお薦めの化物たちを

ひとりひとり切り取って見せてくれています。

 

元々の絵巻には言葉はありません。

この絵本では

化物たちに合った音を擬音で表現しています。

 

すー とか

するする とか

どー

ぴたぴたん とか。

 

登場するのは、日本古来の由緒正しき

正統派の化物たちです。

 

狐火(きつねび)や

雪女(ゆきおんな)

化猫(ばけねこ)

大入道(おおにゅうどう)などなど。

 

人をおどかしたり怖がらせようと現れたり

人に化けて出てきたり

 

巨大な姿で恐ろし気なものもありますが

だぶだぶの袈裟を着てお坊さんに化けた

梟法師はキョトンとした顔をしていたりと

どことなく可笑しみのある化物もいます。

 

 

きゅーはくとは

なんのことかと思ったら

九州国立博物館のことでした。

この絵本絵巻の企画・原案者でもあります。

 

九州国立博物館は福岡県太宰府市にあります。

平成17年10月16日に開館。

東京、奈良、京都に次ぐ4番目の国立博物館です。

こちらは同博物館の公式サイトです。

www.kyuhaku.jp

 

この絵本は…

九州国立博物館の収蔵作品

狩野宗信(かのうむねのぶ)の

「化物絵巻」から編纂されたもの。

今からおよそ350年前に描かれた絵巻です。

作者の狩野宗信は狩野派の流れをくむ絵師。

京都に生まれ、のちに江戸に出て学びました。

 

化物について…

推薦者の水木しげるさんのインタビューも

掲載されています。

そのお話によると

化物や妖怪の現れる時間帯は

「だいたい夕暮れから夜」

現われる場所については

「電気がこうこうとつくようになって、

かつていた化物は激減した」と。

 

水木しげるさんのインタビューで

印象に残ったコメントを引用したいと思います。

「昔はお化けも動物も人間も

一緒に遊んでいたわけだし、

お化けというものは、ある意味、

心が落ち着いて、

自然と一体になれる瞬間を

与えてくれるものだったんじゃないかなあ。」

 

 

 

古来、化物や妖怪が誕生してきた背景を

本書の解説から読み知るにつけ

夜通し明るい街並みの不自然さや

人間以外の生き物との距離が遠くなったことを

改めて認識させられる機会になりました。

 

きゅーはくの公式サイトに本作の動画もありました。

少し涼しく…なるかも?

www.youtube.com