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一期一会の本と日常のおはなし

【まよなかのせおよぎ】眠れない夜は

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背泳ぎ、できますか?

「まよなかのせおよぎ」

講談社の創作絵本 

第40回講談社絵本新人賞受賞作 

講談社 2019年6月 第1刷) 

作・絵 近藤未奈

 

運動、苦手なんですが、背泳ぎはできます、たぶん。

 

どんな絵本…

優しいタッチと淡い色使いの色鉛筆で描かれた

ふんわりとしたイラスト

 

星の瞬く真夜中、ベットのうえで

きょうは ちっとも ねむれない」と

座り込んでいる子がいます。

男の子かな女の子かな、どちらにも見えます。

 

白地に薄青の星柄パジャマを着ています。

その子が眠れないので、窓の外を眺めると

 

家の屋根よりちょっと高いくらいの空中を

背泳ぎしている「だれか」を発見!

 

白地に細い赤の横縞水着を着ている

自分と同じくらいの大きさの子です。

 

白いスイムキャップに

エメラルドグリーン色のゴーグルもつけて

仰向けで右腕左腕を上手にクロール

バタ足もとても自然な動きです。

 

ふんわり、ゆったり

満天の星空を仰ぎながら水着の子は

星パジャマの子の前を泳いでいきます。

 

思わず部屋を飛び出して

あとを追いかけていく星パジャマの子

 

シンと寝静まった街並み

大きくて立派な建物の間を抜けて

広い緑豊かな庭園を真下にしながら

水着の子は空中をふんわり泳ぎ続けます。

 

呆気に取られて眺めていた星柄パジャマの子に

赤縞水着の子が近づいてきました。すると…

感想を…

イラストに出てくるすべてのもの

街並みも家々も木々も

丸っこく柔らかいかたちに

パステル調の淡い色合いで描かれていて

おとぎの国を訪ねているような気持ちに。

 

 

星柄パジャマの子と赤縞水着の子の

手足も体もあどけない

幼児のような姿形にも穏やかさを感じます。

 

ゆったりと空中に

静かに手足を動かしながら

確かに泳いでいる様子

その浮遊感に引き込まれました。

 

ときにタッチ&ターンまで上手にしちゃいます。

暑くて眠れない熱帯夜が数日続きました。

こんなときは

熱が逃げない家の中より外にいたら気持ちいいかもと。

夜気を感じ星空を仰ぎながら

ふんわりゆったり空中を私も背泳ぎしてみたい。

 

最後に背泳ぎしたのはいつだったか。

10年前?20年前?

泳ぎの感覚は体が覚えているつもりですが

浮かぶかな?

もちろん空中にではなく水に、ですが。

夏の間に一度ぐらいプールに行って

背泳ぎしてみたい

そんな気持ちにさせてくれた絵本でした。