hon de honwaka

一期一会の本と日常のおはなし

【日常のこと】読めない漢字が大集合

当ブログではアフェリエイト広告を利用しています

f:id:tokinoakari:20230718190050j:image

先日記事にしたこちらの作品

tokinoakari.hatenablog.com

この本のなかで作者の苫野一徳さんが大絶賛していた

作家・平野啓一郎さんの小説「日蝕

 

苫野一徳さんは、この作品に衝撃を受け刺激され

8年間ご自身も小説を書こうとしたとのこと。

日蝕」どんな小説なのか興味が湧きましたので

 

それではと、読んでみたところ………

 

読めない漢字が大集合してました。

さらに

ふりがながふられているので

読めると言えば読めるのですが

読んでも意味がわからない漢字も大集合

 

苫野一徳さんは、自身と同世代20代前半で

平野啓一郎さんが書いたこの小説の

語彙の多さに衝撃を受けたそうです。

 

平野啓一郎さんのこの小説「日蝕」は

作家のデビュー作であり

平成10年上半期・第120回芥川賞受賞作です

40万部のベストセラー作品。

f:id:tokinoakari:20230720221335j:image

物語で描かれているのは

15世紀から16世紀の西欧を舞台に

基督教や異教や魔女狩りを通して

「人間における肉体と霊魂の

二元論の是非という主題」

(選者石原慎太郎さんの選評より)。

 

ほとんど関心のなかった分野で

基本的な知識不足ですが、とにかく

読めないながら読んでみました。

 

まるで明治の人が書いているような

漢語や漢字が使われた文章です。

擬古文」というのだそうです。

主人公の独白で綴られるこの文体から、

語られる内容の重苦しさや堅さ難解さが

より強固に伝わって緊張ともどかしさを感じました。

f:id:tokinoakari:20230718190120j:image

スッキリもサッパリもしませんでしたが

何とも言えない独特の雰囲気にのまれながら

飽きずに最後まで読み…

最後の最後まで続々と出てきた難しい漢字に

今日は焦点を置きたいと思います。

 

少しだけ抜粋して掲載しますので

よかったら頭の体操に。

(簡単だったらごめんなさい。)

 

まずは割と頻繁に本作に出てきた漢字から

「徐に」

「軈て」

「完く」

「啻に」

「詳」

「肆」

いかがでしょうか?簡単?

 

次に小説の鍵となる場面で出てきた漢字から

「鞦韆」

「昊」

「晦匿」

「郁氛」

「赫曄」

 

今度使ってみようかなの漢字も

「加之」

「就中」

「能々」

「日昃」

「抑」

 

締めくくりは

こっちのほうが風情があっていいと思った漢字で。

「雪髪」

 

《※読みは下部に記しました。》

 

一昨日発表された

第169回芥川賞のニュースで気づきましたが

平野啓一郎さんは賞の選者になっていました。

 

私が今回読んだ本はこちら「芥川賞全集 第18巻」

選者の方々による選評も掲載されていて

作品理解のために、とても参考になりました。

f:id:tokinoakari:20230720221404j:image

それでは前出の漢字の読み方を。

 

「徐に」おもむろに 「軈て」やがて 

「完く」まったく 「啻に」ただに

「詳」つまびらか 「肆」ほしいまま

「鞦韆」しゅうせん 「昊」そら

「晦匿」かいとく 「郁氛」いくふん

「赫曄」かくよう 「加之」しかしのみならず

「就中」なかんずく 「能能」よくよく

「日昃」にっそく 「抑」そもそも

「雪髪」せつぱつ

 

「雪髪」の意味は白髪のこと。

美しい表現と思いました。

読み方を「ゆきがみ」にして復活してほしいな。

f:id:tokinoakari:20230720221533j:image