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一期一会の本と日常のおはなし

【ルイの冒険】迷子の子ねこが見たものは?

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前へ進めば新しい出会いが。

「ルイの冒険」

講談社 2022年9月 第1刷) 

文 南部和也  

絵 宇野亞喜良 

友情共作 田島征三

どんな絵本…

書き出しは「むかしむかし、」とあります。

 

農場に住んでいる3匹の子ねことお母さん猫。

子ねこの名前はルイココジタン

3匹はいつもいっしょの仲良し兄弟妹猫です。

 

ある日3匹でかくれんぼをすることに。

農家にやってきた馬車のなかに隠れていたルイは

そのまま眠ってしまいます。

しばらくして目を覚まし馬車の上から外を見ると

そこは全然知らない場所でした。

 

お母さん猫の元へ帰りたいルイ。

そこからルイの冒険がはじまります。

 

お家を探して、お母さんを求めて

森の中を進むルイがつぎつぎに

いろいろな生物に出会い

話したり飛んだり跳ねたり

踊ったり泣いたり捕まったりするお話。

 

パステルと水彩でおおらかに描きあげられた

あどけなくも感情豊かな子ねこの姿が、

個性あふれる生き生きとした動きを感じる

イラストです。

きらきらした瞳が好奇心旺盛な子ねこを

見事に表現しています。

 

大きなクモが出てきたりしますが、

決して怖いお話ではありません。

ルイをクモの糸に捕まえてしまう

真っ赤な巨大クモですが

どこかコミカルで愛嬌があります。

(そして迎えに来たお母さん猫に

思いっ切りやっつけられてしまいます。)

 

小さなお子さんの冒険心をくすぐる

読み聞かせにぴったりな絵本だと思いました。

著者について…

作者の南部和也さんは

1960年東京都生まれの獣医師。

カリフォルニア州アーバイン市の

「THE CAT HOSPITAL」で研修。帰国後、

東京都内で猫専門の病院

「キャットホスピタル」を開業。

猫をテーマにした童話を多数創作しています。

 

絵の宇野亞喜良さんは1934年愛知県生まれの

挿絵画家、グラフィックデザイナー。

どこか退廃的な雰囲気の漂う耽美な女性像は

誰でも一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。

 

友情共作の田島征三さんは

1940年大阪府生まれの絵本作家。

以前記事にした絵本「ふるやのもり」は

作家のはじめての絵本作品です。

tokinoakari.hatenablog.com