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一期一会の本と日常のおはなし

【とうふこぞう】京極夏彦の妖怪えほん

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豆腐を持ってるだけ?

「とうふこぞう」

京極夏彦の妖怪えほん(笑)

岩崎書店 2015年3月 第1刷) 

作 京極夏彦  

絵 石黒亜矢子  

編 東雅夫

暑さ対策に怖さで肌寒くなろうかと

図書館からお化け系を借りてきているのですが

怖いものを避けたいという

無意識の意識でしょうか

なぜか怖くないお話を選んでしまいます。

今日の絵本も怖くはないです。

どんな絵本…

登場するのは

でべそが可愛い男の子と

白に黒ぶちの一癖ありそうな猫

 

男の子はお風呂でも洗面所でも布団の中でも

おばけは怖い」と思ってます。

その気持ちはどんどん膨らんでいくのですが…

 

男の子の居る場所の背景が

細やかに怪しく描かれています。

ちょっとした隅っこ

たとえばコップの中やごみ箱や

廊下の壁や部屋の天井に

怪しい模様が潜んでいます

そんな「怖い」を見つけるのも

楽しい絵本になっています。

 

男の子が布団の中で怖くて丸まっていると

布団の上に何かが現われ「こんばんは」

 

この何かが「とうふこぞう」です。

全然怖くない。挨拶しながら登場

豆腐を持って見せるだけの妖怪です。

怖くはないけど怪しい雰囲気は持ってます。

小さなお皿に載った白くて四角い豆腐を

両手で大事そうに持ってます。

いちいち「すみません」と

腰も低くて礼儀正しく愛嬌があります。

 

全然怖くない豆腐小僧

男の子と意気投合

再会の約束までしちゃうのでした。

著者のプロフィールを…

作者の京極夏彦さんは1963年北海道生まれ。

世界妖怪協会・世界妖怪会議評議員

関東水木会会員。

怪談之怪発起人。

古典遊戯研究会紙舞会員。

全日本妖怪推進委員会肝煎。

 

絵描きの石黒亜矢子さんは1973年生まれ。

著書にお噺画集「平成物の怪図録」

挿絵や装画に「豆腐小僧双六道中ふりだし」など。

 

編者の東雅夫さんは1958年神奈川県生まれ。

ダ・ヴィンチ」増刊号怪談専門雑誌

「幽」を創刊、初代編集長

著書「遠野物語と怪談の時代」で

第64回日本推理作家協会賞を受賞。

 

皆さんお化け系のプロフェッショナル!

 

京極夏彦の妖怪えほんは、本書「笑」のほかに

「悲」「楽」「怖」「妖」があるので

この機会に読んでみたいと思います。