今が見ごろの中尊寺ハスの花咲く
「あつかし千年公園」で想ったことを。
自宅から車で20分ほど北東に行ったところに
中尊寺ハスが育成されている公園があります。
こちらの中尊寺ハスは
「800年の時を超えてよみがえった奇跡のハス」
といわれています。
この地からは更に北にある
源頼朝との戦いに敗れた
藤原泰衡の首桶が安置されています。
その首桶のなかには
百粒ほどの古代ハスの種子が納められていました。
1950年に見つかったその種子を
植物学者の方々が長い年月をかけて研究の末
ついに1998年7月
その種子から一輪のハスの花が開花。
公園の中尊寺ハスは
この場所が藤原泰衡ゆかりの地であることなどから
2009年に平泉町より株を譲り受け
地元や有志の方により育成管理されているものです。
美しいハスの花はもちろんですが
今回初めて見たハスシャワーも印象が強かったです。
レンコンの穴の延長が
ハスの茎にもつながっていることを利用して
ホースに茎を刺し隙間をテープ等で留めたら
葉脈の先が出るように
葉の周囲を3cmほどカットします。
この状態でホースから水を流すと
切り取られた葉っぱの葉脈から
放射線状にまるでシャワーのように
水が飛び出す仕組みです。
写真だとわかりにくいですが
天然のシャワーノズルとなったハスの葉
細かなミストが涼しげです。
800年の時を超えてよみがえったハス
植物にはきっと人知の及ばない力が。
その力強さに、きっと遥か遠い未来にも
植物は色とりどりの花を咲かせているだろう
と想像しました。
ニンゲンはその時どうしているのかな。
いるのかな、いないのかな。
「夏草や兵どもが夢の跡」
この句は松尾芭蕉が
公園のすぐ脇に残っている遺跡
「阿津賀志山防塁」に登ったら
自然と心に浮かんできました。
堀と土塁からなる「阿津賀志山防塁」。
最遠方の山の手前に
やや色濃く見える台形の小山が阿津賀志山。
今はところどころ桃畑になったりしていますが
当時はあの山から約40㎞に渡り防塁が続き
背後の阿武隈川まで延びていました。
こちらは防塁の上から見渡した公園のハス沼。
芭蕉がこの句を詠んだのは
奥州合戦から約500年後の1689年5月(旧暦)。
今から334年前のことです。
今日からのちの800年後、この場所は
どのような様子になっているんでしょう。
夏草は生い茂っているのでしょうか。