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一期一会の本と日常のおはなし

【シーソー】ちょっと不思議な小さいクマの話

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自称「クマ」だけど?

「シーソー」

ランダムハウス講談社 2007年12月 第1刷) 

作 ティモ・パルヴェラ  

絵 ヴィルビ・タルヴィティエ  

訳 古市真由美

どんなストーリー…

ひとりぼっちの小さなクマのピー

 

シーソーの一方に座って

シーソーする相手がやって来てくれるのを

ジッと待っていましたが、誰も来ません。

 

退屈なような詰まらないような

寂しいような気持ちでいたら

ある日大きなモミの木が

誰も座っていない方の席に倒れてきて、

ピーは遠くに飛ばされてしまいます。

 

・・・・・

クマになりたい時ってどんな時でしょう?

 

ハチミツを食べたい時?

この作品の主人公ピーの場合は

そういうことではないみたい。

 

不安なとき?

強くなりたいとき?

ひとりでも平気だよって見せたいとき?

・・・・・

 

ピーは遠くに飛ばされて

いろんな風変りな生き物たちと出会い、

今まで知らなかったことや

感じたことのない感情を体験します。

怒ったり優しい気持ちになったり

泣いたり笑ったり。

 

シーソーを誰もが好きじゃないこと。

シーソーするのにぴったりの相手が見つかると

すごく楽しそうなこと。

良いこともあれば悪いこともあります。

 

ピーにとってのぴったりの相手は

みつかるのでしょうか。

作者のプロフィールは…

作者のティモ・パルヴェラさんは

1964年生まれの児童文学作家。

フィンランドのユブァスキュラ大学教育学部を卒業し

小学校の教師になります。

教職に在職中の1989年に作家としてデビューし

1996年より作家活動に専念。

フィンランド国内の児童文学賞を多数受賞。

本作品は2007年児童書ベストブック賞を

受賞しています。

 

本作品の挿絵を描いた

ヴィルビ・タルヴィティエさんは

1961年生まれの画家。

パステルと水彩絵の具を駆使した技法が作品の特徴です。

本作品でも、

おとぎの国から抜け出てきたような

ちょっと不思議な生き物たちを

親しみの感じる可笑しみのあるイラストで描いて

物語の幅を広げてくれています。

感想を…

表紙のイラスト

どうみても本物のクマに見えないんですが

本人にとっては「クマ」であることが

とても大事なことみたい。

 

ピーにとってクマの毛は

自分の身を守る鎧のようなもの?

 

出会った生き物たちの振る舞いに

怒ったり温かい気持ちになったりする

ピーの細やかな感情の動きに

先がどうなるのかと引き込まれました。

 

ピーと一緒に

悲しくなったり楽しくなったりしながら

いろいろなことを体験してみませんか。

合わせてクマプーもいかがでしょう?

tokinoakari.hatenablog.com