植物の奥深さを学べます。
「朝ごはんは、お日さまの光!」植物のはなし
(徳間書店 2021年5月31日 初版発行)
文 マイケル・ホランド
絵 フィリップ・ジョルダーノ
訳 徳間書店児童書編集部
どんな本…
植物についての図鑑、百科事典、図録、
デザインカタログ、美術書、そして絵本でもある本です。
植物とこの世界の全てのものの関わりについて、
現在過去未来、多岐にわたる角度からの視点で
網羅し解説していながら、
難しい雰囲気が全くありません。
一ページごとに、カラフルで装飾的なイラストや
ユニークなキャラクターが登場し、
見る者を楽しませてくれます。
デフォルメされたアニメーションのようでありながら、
植物そのものの特徴をしっかりと捉えた絵に惹きこまれました。
少しだけ内容の紹介を…
125ページすべてにカラフルなイラスト入り。
もくじは全4章に分かれています。
第1章 植物のことがぜんぶわかる!
地球にすむ生き物にとって、植物はなくてはならない存在です。植物がなければ、どんな生き物も、生きていくことはできません。…
第2章 植物の世界
…生えている場所にあわせられなければ、その種は絶滅することもあるのです。ひどくきびしい環境でも生きのびられるように、植物は進化してきました。…
第3章 朝から夜まで、植物とともに
朝、目をさましたときから、ねむりにつくまで、わたしたちのくらしは、植物にささえられています。食事をしたり、呼吸したりという、生きていくのに必要なことをするときも、遊ぶときもです。…
第4章 植物の力
…植物のおかげで、わたしたちの世界は動いているのです。わたしたちが使っているお札から、病気をなおす薬まで、科学技術の最先端にあるのは、植物です。…
知ってましたか…
植物の構造から進化についてや、
どんなものがどのように植物によって
作られているかといったこと、
また現在大問題になっている環境汚染についても
分かりやすく掲載されています。
どのページにも意味ある言葉が詰まっています。
そのなかのひとつを紹介しておしまいにしたいと思います。
2億5,200万年ほど前、地球上の生物の90から95%が一気に死にたえたことがあった。これは、「大量絶滅」とよばれている。火山が爆発して、太陽をかくしてしまったりしたせいだ。大量絶滅より前の植物は花をつけなかったが、このときに、なんとか生きのびた植物から、花のさく植物の祖先があらわれた。
ご存知でしたか?
私は知らなかったです。「花」にそんな歴史が。
美してユニークなイラストを眺めて楽しむのも良し
解説から植物の働きを再認識するも良し
傍らに置いてときどき開いてみたい作品です。