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一期一会の本と日常のおはなし

【にんじん ようちえん】園児はみんなウサギの絵本

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ひたすら和む絵本です!こんな幼稚園がいいですね。

「にんじん ようちえん」

ポプラ社 2022年3月 第1刷) 

作 アンニョン・タル  

訳 ひこ・田中

どんな絵本…

30cm×30cmの大型絵本です。

 

画面いっぱいに描かれたイラストは

柔らかい手描きの線と

色えんぴつのような優しい色合い。

 

眺めるだけで気持ちを穏やかにしてくれます。

お子さんと一緒に

絵本に入ったつもりで読めそうです。

どんなストーリー…

はじめて幼稚園に行くことになった赤い毛並みのウサギの子。

幼稚園の名は「にんじん ようちえん」!

 

お母さんと一緒に幼稚園にやって来ましたが

感想はイマイチみたい。

あんまり乗り気じゃありません。

ようちえんは おもしろくない

 

幼稚園の先生たちはキツネ先生、ネコ先生、リス先生

それに、とても大きくてモコモコのクマ先生

ウサギの子はお母さんに

ママ きょうは ようちえんに いきたくない

と言いますが、今日も幼稚園に行くことに。

 

するとクマ先生が粘土で作ったゾウをほめてくれます。

 

時にはちょっとしたトラブルも発生!

そんなとき優しく助けてくれたクマ先生。

 

次第にウサギの子はクマ先生が大好きに。

 

ウサギの子がだんだん幼稚園を

というか幼稚園のクマ先生を好きになっていく様子が

ユーモアたっぷりに描かれていきます。

ウサギの子の心の変化と

心に直結した素直な愛情表現が微笑ましい。

 

お休みの日も、縁側でポツンと一言

ようちえんに いきたいな…

幼稚園の中やウサギの子の家の様子が

細部まで描き込まれて

実際そこにいるような気分になります。

 

同じ幼稚園児のウサギの子どもたちも

みんな同じ顔に見えますが

それぞれ表情豊かに

仕草も細やかに描かれていて

ひとりひとりをじっくり見てみるのも楽しいです。

 

わたしのお気に入りのシーンは

みんなで丸テーブルを囲んで食べる給食の場面。

 

ウサギの園児たちはニンジンや白菜を食べていますが

クマ先生ひとりだけ美味しそうに

大きなお魚にかぶりついています。

もし本書を手に取られたら、ぜひ注目してくださいね。

作者のプロフィール…

作者のアンニョン・タルさんは、韓国で人気の絵本作家。

「水が流れる風光明媚な山の中の学校で視覚デザインを、遠くの海辺の学校でイラストを学び」(本書紹介文より)とあります。

主な作品に「すいかのプール」や「おばあちゃんの夏休み」(第57回韓国出版文化賞)など。

作者のWebサイトですhttp://bonsoirlune.com/

 

訳者のひこ・田中さんは、1953年大阪府生まれの児童文学作家、評論家。

「なりたて中学生」で第57回日本児童文学者協会賞を受賞。絵本「ひっつきむし」や評論「大人のための児童文学講座」などの作品があります。