hon de honwaka

一期一会の本と日常のおはなし

【うに】あの”ウニ”の絵本です。

当ブログではアフェリエイト広告を利用しています

美味しいだけじゃない「うに」のお話。

うに とげとげ いきもの 

きたむらさきうにの ひみつ」

海のナンジャコリャーズ③ 

(仮説社 2022年10月 初版1刷)

作 吾妻行雄 

作 青木優和 

絵 畑中富美子

どんな絵本…

本編は東日本大震災のあとに本当に起こった

宮城県志津川湾での出来事を基にしたストーリー。

 

本編の前後のページに付録として

うに」についての詳しい解説がついています。

 

付録の内容は

①「うに」のからだ

②「うに」と棘皮動物

③日本の「うに」、世界の「うに」

④「うに」を食べる生き物たち

⑤「うに」と磯焼け

⑥「うにランプ」の作り方

⑦もっと!「うに」

について。図解入りで解かりやすい解説です。

 

「うに」の生態は知らなかったので

まず付録の内容に惹きつけられました。

そのほんの一部を。

 

目も、耳も、脳も、心臓もないウニ。

そのからだはほぼ球形で、

からだの下に口、上に肛門があります。

下で食べて上からうんこをするのです。

びっくりです。脳も心臓もなくても大丈夫なんて。

 

口から肛門までは、

食道・小腸・大腸・直腸が

立体的につながっています。

生存に最も大切なのは脳より心臓より腸?

 

ウニにはふつうのトゲ以外に、

「叉棘」という先端にアゴ(顎)をもつ

小さなトゲがある。

アゴの形はいろいろで、

爪・蛇の頭・葉っぱの形などがある。

小さなからだのなかに備わった

不思議で興味深い器官や生態について

書かれた解説はとても魅力的。

付録だけでも充分な読み応えがあります。

本編のお話は…

東北の南三陸町に住む祖父のところへやってきた少年。

祖父の仕事は漁師です。

少年は祖父から東日本大震災のあとの海の中の

生態が変わってしまった様子を聞きました。

 

海底の生き物がすべて流されて

海藻ばかりが生い茂った海中になったこと

 

あるとき小さな子どもうにが現れると

やがて海底はうにでいっぱいになり

海藻を食べつくしてしまったこと

 

食べるものがなくなりはらぺこのうにを

捕まえて養殖がはじまったこと…

 

畑中富美子さんによるイラストにも

目が釘付けになりました。

こんなに詳しく間近に見たことがない

というくらい、大きく克明に描かれたうにに

ドッキリしたり感心したり。

 

少年が「うにの畜養場」で観察した場面

水槽のなかで昆布を食べるうにのイラストは

宇宙生物かと思うほどの大迫力

ぜひみなさんにみていただきたいです。