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一期一会の本と日常のおはなし

【リンドバーグ】空飛ぶネズミの大冒険

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五月晴れの空を飛べたら。

リンドバーグ

空飛ぶネズミの大冒険

ブロンズ新社 2015年4月 初版第1刷) 

作 トーベン・クールマン  

訳 金原瑞人

どんな絵本…

小さなネズミが飛行機を作って

海を渡りアメリカに行くという

かわいいお伽話になりそうなお話を

まるで本当にあったような手触りの

作品にしているのはイラストのちから。

 

イラストが本物っぽい

というより本物なので

現実じゃないけど真実に思えます。

 

精密な設計図や飛行機の部品の細部が

本物同様に写実的に描き込まれています。

 

場面全体の隅々まで

部屋のなかの壁の汚れや

クモの巣ひとつにも手を抜かない細やさです。

どんなストーリー…

とある大西洋に面した大きな港町に

人間の図書館に通って、こっそり本を

読みふけるほど賢い小ネズミがいました。

 

ある日、小ネズミが図書館から戻ると

どこを探しても仲間がいません。

新しく発明された「ネズミ捕り」を恐れて

仲間はみんな海を越えアメリカへ渡ったみたい。

 

そこから小ネズミの大きな挑戦がはじまります。

小ネズミは一大決心、空飛ぶ機械を作って

海を渡り仲間との再会を目指すことに。

 

しかし小ネズミの挑戦はそう簡単にはいきません。

最初の飛行機は重さに耐えられず大失敗。

次も、そのまた次も。

でも小ネズミはめげません

近くにあったものをヒントに

何度でも次の飛行機を考えます。

 

ところが小ネズミの困難は

飛行機作りだけではありません。

恐ろしい天敵に狙われることも。

 

何度も失敗しながら、それでも

小ネズミはせっせと飛行機作りに励みます。

 

小ネズミはアメリカまで飛んでいけるでしょうか。

 

健気な小ネズミに勇気をもらえる絵本です。

夢みることの大切さ

何かを、熱心に追い求める気持ち

調べること、学ぶこと、実行すること

失敗したらまた考えてやり直しすること

そんな生きていくのに大切なことを伝えてくれます。

 

巻末に描かれる

人間の少年リンドバーグさんは

この勇気ある賢い小ネズミに刺激され

いつか空を飛びたいと思ったという伝説が

真実に思える作品です。

おまけ…

人間の飛行士チャールズ・リンドバーグさんが

大西洋単独無着陸飛行に初めて成功したのは

1927年5月21日22時21分

パリのル・ブルジェ空港に着陸、25歳のときでした。

 

「つばさよ、あれがパリの灯だ。」

この有名な台詞は後世の脚色で、

実際にはどこに到着したのかわからなかったとか。