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一期一会の本と日常のおはなし

【キツネのはじめてのふゆ】若キツネひとりだちの冬

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キツネくん、初めての冬はどう?少し心細いかな?それとも、ときめいてるかな?

「キツネのはじめてのふゆ」

(すずき出版 2018年10月 初版第1刷) 

作 マリオン・デーン・バウアー  

絵 リチャード・ジョーンズ  

訳 横山和江

どんなストーリー…

若いキツネが親から離れてはじめてひとりですごす冬のお話し。

冬の景色ですが優しくて温もりのある絵です。

まだひとりだちして間もないキツネの顔はあどけなさが残ります。

 

お話しのはじまりはこうです。

ひとひらの ゆきが

ふってきました。

ふわり

ひらり。

キツネの はなさきで

じんわり とけます。

「ひゃあ、つめたい。

ふゆが くるんだな。

ぼく、なにかしなくて

いいのかな。

野原の片隅に横座りして

斜め上を見上げるキツネの鼻先には、

一片の雪のカケラが

舞い降りてきているところです。

 

最初に声をかけてきたのはモコモコのけむし

冬が来たら何をするのか教えてくれますが

キツネにはちょっと違う気がします。

そのあとも

カメコウモリリス

空高く飛ぶガンや白い冬毛のカンジキウサギ

大きなクロクマ

自分たちの冬の過ごし方を教えてくれますが

どれもちょっと違うみたい。

いろいろな動物たちの冬の過ごし方が

美しく広々とした野原を背景に描かれます。

優しく描かれる動物たちのすがたに

ほっこりすること間違いなしです。

 

すると今度はが近くにやってきて

しーっ。しずかにしてごらん」と囁きました。

雪の上に寝そべってキツネがじっとしていると

そこに現れたのは…

 

キツネはついに冬に自分がやることを見つけたのでした。

作者と作品について…

作者のマリオン・デーン・バウアーさんは、1938年アメリカ、イリノイ州生まれ。

"On My Honnor"「トニーが消えた日」でニューベリー賞オナーに選ばれる。

"The Longest Noght"「ながいながいよる」でゴールデン・カイト賞受賞。

 

画家のリチャード・ジョーンズさんは、イギリス、ウェスト・ミッドランズ州生まれ。図書館の児童書部門の仕事を長く経験したのち、イラスト専業になる。

本書の原題は「WINTER DANCE

訳者のあとがきをご紹介してしめくくりたいと思います。

キツネは冬眠しないで、冬のあいだも活動します。雪のなかでダンスをするようにじゃれあうのは、キツネの求愛行動です。親からはなれてひとりぼっちではじめての冬をむかえた若ギツネは、こうして家族をつくり、春には子ギツネがうまれます。