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一期一会の本と日常のおはなし

【おふくさんの12かげつ】日本の伝統的な福行事

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5月は田植えの時期でもあります。

「おふくさんの12かげつ」

(大日本図書 2022年9月 第1刷) 

文・絵 服部 美法(はっとり みほ)

どんな絵本…

まずはじめに著者から読者への言葉を抜粋します。

季節の移り変わりや

「ふくぎょうじ(福行事)」を楽しみながら、

笑顔で過ごすおふくさんたちの1年の様子を

ぜひ楽しんでくだいさね。

福行事とは、福を呼ぶ季節ごとの習慣のようです。

 

この絵本に登場するのは

12人の「おふくさん」とひとりの大きな赤鬼

どの「おふくさん」も

まん丸のお顔に手ぬぐいで頬被り、

赤や緑や紫のモンペ姿が良く似合う

笑顔と元気がいっぱいの女の人たちです。

 

それぞれの名前は

1月が睦月

2月が如月…と日本古来の月の呼び名が付いています。

1頁1頁ごとにその月に行われる福行事を

にぎやかにみんなで楽しむ光景が描かれていきます。

 

1月なら、お正月の凧揚げや書初め

鏡餅を飾って雑煮を食べて

タツを囲んで初笑い…

 

少しずつ生活スタイルが変化して

昔ながらの習慣も無くなってきてはいますが

この絵本を見て子どもに伝えたり

大人なら思い出してみたり

しばらく遠ざかっていた福行事を

もう一度復活してみるのも楽しそうです。

さて今日から5月、皐月(さつき)です。

この絵本から今月の福行事をご紹介して

この記事を締めくくりたいと思います。

 

おふくさんちのふくぎょうじ

 

はちじゅうはちや(5がつ2かごろ)

しんちゃを いただくわ。このひに つみとった はでいれた おちゃを のむと 1ねんかん びょうきしらずになると いわれているの。

 

こどものひ(5がつ5か)

こいのぼりを あげて、おとこのこの せいちょうを おいわいするひよ。

 

5月皐月の頁に描かれているのは

新緑が遥か遠くまで広がる田園風景

 

藁ぶき屋根の家の傍らには風にたなびく鯉のぼり

藤棚の藤が薄紫の花を満開にして

大きな赤鬼さんがたらいに入れた菖蒲湯で

ひと風呂浴びでいます。

おふくさんの数人は頬被りを脱いで

代わりに新聞紙で折った兜をかぶり

ござの上に並べたちまきや柏餅を手に団らん。

 

田舎に住む私でも

今はほどんど見かけなくなりましたが

半世紀前には田舎のどこにでも

当たり前にあった光景です。