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一期一会の本と日常のおはなし

【ねこのかぞくのおはなし】ナナカラやまものがたり②

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「ねこのかぞくのおはなし」

ナナカラやまものがたり②

あすなろ書房 2022年10月 初版)

作者 どい かや

どんな絵本…

文庫本より少し大きいくらいの

可愛らしい小ぶりなサイズの絵本です。

 

「小さないきものたちの小さなおはなし」

絵本の説明文には

しぜんをだいじにしてくらす

森のなかまたちの

心あたたまる

小さなお話シリーズ第2巻」とあります。

(シリーズの

第1巻は「くまおばあちゃんのジャム」

第3巻は「コジュケイふうふのちいさないえ」です。)

 

また本書は、2014年に童心社より刊行された

「ナナカラやまものがたり」に新規原稿を加え

新たに構成したものです。

 

小さな絵本を開いてみると、そこには

細やかな筆致で優しいパステルの色合いの

明るいみどりの世界が広がっていました。

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なんとなく私の住むところから

山のほうに向かって少し車を走らせれば

見かけるような、のどかな景色です。

どんなお話…

今回の主人公は

ほわほわとした白い毛が特徴のねこの7匹家族

とうさんねこ、かあさんねこ

それに5匹の子ねこたちは

にいさんねこと4匹の妹たちです。

 

みんなとても穏やかで

それはそれは楽しい暮らしが描かれていきます。

 

小さなお子さんにピッタリの絵本ですが

ホッと一息つきたい気分の大きなおとなにも。

子ねこたちのあどけない仕草や

とうさんかあさんねこの優しい笑顔に

にっこりすること間違いなしです。

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(この方は商店街在住です)

 

本書は二つのお話が描かれています。

ひとつは先に述べた「ねこのかぞくのおはなし

 

もうひとつは、とうさんねこが

たぬきのおばあさんから教えてもらった

ナナカラやまの泉にまつわる物語

ながれものの ねこと みずの かみさま」。

 

森に住む生きものたちが大切にしている美しい泉に

長い旅で疲れた流れ者のねこがやってきて

水を飲みました。その水の美味しいこと。

泉を気に入った流れ者のねこは

その森に住むことにします。

 

このきれいな泉の水を

森の生きものたちはとても大切に使っているのに

そのねこだけは違いました。

じゃぶじゃぶと無駄遣い。

くまやきつねが大切に使うようにと言っても

ねこは誰の忠告も聞きませんでした。

すると…

水の神様がたいそう怒って

ねこが水を飲めないようにしてしまいます。

 

喉がからから、元気の無くなったねこは

ついに泉のそばで干からびて

大地の砂になってしまいました。

 

長い月日が経ったある日

砂になったねこの前に水の神様があらわれて…

 

優しくて可愛らしいお話なのですが

こんな悲しい出来事も。

けれどお話はまだ続きがあります。

 

それは決し簡単ではないけれど希望を繋ぐ物語

泉の水を汲みにくる森のみんなの思いやりで

いつかきっと、砂のねこにも良いことが…

作者について…

作者のどいかやさんは、1969年東京都うまれ。

「チリとチリリ」シリーズや「ねこのニャンルー」など

動物を主人公にした多数の作品を手がけています。

アイヌのむかしばなし ひまなこなべ」

(文・萱野茂)で第64回産経児童出版文化賞受賞。

 

どいかやさんのTwitterです。

動植物への愛情がたっぷり伝わってきます。

twitter.com