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一期一会の本と日常のおはなし

【ぞうさん】まど・みちお詩集

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ぞうさんだけどくまさん

ぞうさんまど・みちお詩集 

つたえたい美しい日本の詩(こころ)シリーズ 

講談社 2020年2月 第1刷) 

詩 まど・みちお  

絵 いもとようこ

まず詩のタイトルを…

  • くまさん
  • リンゴ
  • ぞうさん
  • おならは えらい
  • やぎさん ゆうびん
  • おさるが ふねを かきました
  • バナナのじこしょうかい
  • するめ
  • つけものの おもし
  • イヌが歩く
  • ふしぎな ポケット
  • ボタンの ぼうや
  • ぞうきん
  • ぼくが ここに
  • いわずに おれなくなる

どんな絵本…

いもとようこさんの優しくて微笑ましいイラストが

まど・みちおさんの詩にそっと寄り添う絵本。

 

ぞうさん」や「ふしぎな ポケット」は

読もうとすると自然に歌となって

口ずさんでしまいます。

♬ぞ~うさんぞ~うさん 

お~はながながいのね そ~うよ♬

音として記憶に染み付いているのか

何も見なくても言葉が出てきます。

 

タイトルからもうかがえるように

どの詩も、題材は身近なものです。

 

そのひとつ「ぞうきん

まどさんの手にかかれば

いつも使っているぞうきん

こんな豊かな表情を持っていたのかと

つぎにお掃除をするときは、ぞうきんに

お疲れ様ですと一声かけたくなります。

 

そんな本作「まど・みちお詩集」に

私の大好きな詩が収録されていました。

 

ずいぶん前のことですが

詩を書き写して壁に貼り

何度も読み返していた時期があります。

ここでまだご存じない方がいたら

読んでみてほしいと思い記します。

 

くまさん

 

はるが きて

めが さめて

くまさん ぼんやり かんがえた

さいているのは たんぽぽだが

ええと ぼくは だれだっけ

だれだっけ

 

はるが きて

めが さめて

くまさん ぼんやり かわに きた

みずに うつった いいかお みて

そうだ ぼくは くまだった

よかったな

 

なんでもないような言葉なのですが

ただそこに在る自分を

なんでもないまま受け止めている感じが

とても好きです。

 

くまさんがくまさんであるように

私が私であることや

あなたがあなたであることを

ただそれだけで

「よかったな」と思えたらステキ。

 

読んだ方によっては

全く違う感想にもなりそうな詩でもあります。

みなさんなら、どんな印象を受けるでしょうか。

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