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一期一会の本と日常のおはなし

【言葉を生きる】ちくまQブックス池田晶子さんエッセイ

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「言葉は魔法の杖なのだ」

「言葉を生きる」

ちくまQブックス

《考えるってどういうこと?》

筑摩書房 2022年6月 初版第1刷) 

著者 池田晶子

著者は…

1960年東京都生まれの文筆家。

本書のあとがき紹介文より

専門用語による「哲学」ではなく、考えるとはどういうことかを日常の言葉で語る「哲学エッセイ」を確立して多くの読者を得る。とくに若い人々に、本質を考えることの面白さ、形而上の切実さを、存在の謎としての生死の大切を、語り続ける。…

2007年に46歳で亡くなりました。

 

本書について…

「暮らしの哲学」や

「死とは何か さて死んだのは誰なのか」

など生前に書かれた著書から出典され

4つの章に分かれた17のエッセイ集です。

 

各章のタイトルを。

第1章 心はどこに

第2章 私とは何か

第3章 目に見えないもの

第4章 言葉の力

 

どのエッセイも

著者独特の視点で物事が捉えられています。

「こんな考え方もあるんだ。」と発見したり

「自分も同じように考えたことがある。」と

うなずくものがありました。

 

語られているのは

「生」であり「死」であり

「自然」であり「孤独」であり

今を生きる人間が必要とする知識です。

 

著者は

ネットなどの外側から得る「情報」ではない

本質を追求して自らが考え続けることの

大切さを説いています。

 

なぜ考えることが大切か

突き詰めるとそれはよりよい人生にするため。

 

また、当時から著者は

「インターネット」や「便利さ」

について危惧していますが

現実にはますます

著者の懸念が加速しているように思います。

 

さて、本書は確かに

辞書を引かなければならないような

難しい言葉はどこにも使われていません。

ですが何度も読んで何度も考えないと

何を言っていいのかわからないと思いました。

 

ここでは私が初読みで心に残った

著者の言葉をいくつか記したいと思います。

 

「私の中に心があるのではなくて、心のなかに私があるのですよ、」

 

「わからないなら、自分で、考えなさい。」

 

「孤独の豊かさを知っているからこそ、他人との関係も本当に楽しむことができるようになる」

 

「便利になると「何が」よくなるというのか」

 

「人生の意味と無意味を、自ら納得して生きる人生」

 

「体とは、この地球上に残された最後の自然」

 

「当たり前のことより不思議なことは、この世の中には存在しない。」

 

「言葉は、自分そのものなのだ。」

 

もっとたくさん

何度も読み返したくなる

お伝えしたい言葉がありました。

機会があれば、ぜひ読んでいただきたいです。