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一期一会の本と日常のおはなし

【ホホジロザメ】リアルで迫力満点の絵本

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実物大の歯の鋭さにびっくり。

ホホジロザメ

福音館書店 2022年6月 初版) 

文 沼口麻子  

絵 関俊一

どんな絵本…

作者の沼口麻子さんは

現在、

世界で唯一の

シャークジャーナリスト」として

世界中のサメを取材し

サメという生き物の魅力を

メディアなどで発信している

という筋金入りのサメの専門家。

 

本書ではホホジロザメの形態や生態

克明に、そして深い愛情を感じる表現で

語っています。

どんな内容…

まず画家の関俊一さんの見応えたっぷりな

迫力あるホホジロザメの絵に目を奪われました。

 

海のなかで

激しく動き回る獰猛なすがた

水しぶきをあげて獲物を狩る場面は迫力満点。

 

静かにゆっくり泳いでいても目が怖い。

絶対に出会いたくない相手です。

 

ホホジロザメがどんな海に住んでいるか?

そのからだの大きさは?

何を食べる?

といった一般的なことから

 

なぜ素早く泳げるのか?

歯の大きさは?

どんな風に獲物を食べる?

といったもっと専門的なことまで

分かりやすい図解とともに描かれています。

 

なかでも私が惹きつけられた特徴は

ロレンチーニ器官

名称からしてなんとなくカッコいい。

イタリアの俳優っぽい。

この器官は

顔の前のほうにある、ぶつぶつした穴」で

他の生き物から出ている

弱い電気を感じることができる」そう。

すごい、スマホみたい⁈

(※あとでウィキペディアで調べてみたら

「この器官は1700年代後期にイタリアの

ステファノ・ロレンチーニによって発見」

とありました。やっぱりイタリア由来でした!)

 

もうひとつ驚いたのは

妊娠したメスのホホジロザメの生態です。

 

卵胎生ホホジロザメ

 

お腹の中で卵から孵った赤ちゃんは

1年ものあいだそのまま

母ザメの腹の中で過ごし

出産のときにはすでに

120cmほどの大きさになっているそう。

(しかもウィキペディアによると

一度に2~15尾前後の子供を産むとありました。

どれだけお腹が大きくなるのでしょう。)

ちなみに…

本書の紹介文によると

作者の沼口麻子さんの趣味は

サメ顎標本作り。

たくさんの標本に囲まれながら

眠りにつくことが一日の楽しみ。

画家の関俊一さんは

論文に「"魚"を描くー魚の科学的な描き方・

必須要素の線と図形・表現のポイント」がある。

趣味は海釣り。船で一日中波に揺られ、

釣った魚を描き、捌いて頂くまでを大切にしている。

だそうです。

 

ところで

サメと言えば頭に浮かぶのは

あの名作映画です。

スティーブン・スピルバーグ監督の

JAWS

この作品のモデルとなったサメがホホジロザメです。

(おまけ)読めば読むほど

ホホジロザメって怖そう感が増す

ウィキペディアの解説もよかったらどうぞ。

ja.wikipedia.org