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一期一会の本と日常のおはなし

【ガラスめだまときんのつののヤギ】ベラルーシの民話

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ブルーの目がキレイなヤギさんです。

「ガラスめだまときんのつののヤギ」

ベラルーシ民話 

福音館書店 1988年5月発行) 

訳 田中かな子  

画 スズキコージ

どんなお話…

読み進めていくうちに、あれれ???

どこかで聞いたことのあるストーリー

出てくる登場人物やキャラクターは違うのですが

お話の流れは以前記事にした

ロシア民話「うさぎのいえ」にそっくり

tokinoakari.hatenablog.com

今回、意地悪されるのは畑仕事中のおばあさん

そして

「うさぎのいえ」で悪者になったキツネに代わり

ガラスめだまきんのつののヤギが悪者に。

 

おばあさんもそれなりに強そうなのですが

ヤギは全く動じません。

遠めにみると可愛らしく見えるヤギは

おばあさんが追い払おうとしても

おばあさんの麦畑に居座ります。

 

今回ヤギに立ち向かってくれるのは

大きくて真っ黒なクマや獰猛そうなオオカミ

でもなぜかヤギに言い負かされて

恐れをなして逃げていきます。

 

「うさぎのいえ」では

うさぎの救世主は雄鶏でしたが

おばあさんの救世主は誰でしょう?

 

どちらが先に書かれたのかわかりませんが

ベラルーシの救世主は

からだはとっても小さいけれど

鋭い小技が冴えて、人も恐れる存在

現実のなかで今も変わらず恐れられています。

 

ヒントは絵本の裏表紙

ガラスめだまときんのつののヤギが

目に涙をたたえながら自分の顔を水鏡に映しています。

そこには真っ赤に腫れた鼻が。

 

スズキコージさんの独特のアングルと

鮮やかな色合いで描かれる画が

遥か遠くまで広がる麦畑や

それぞれのキャラクターを生き生きと表して

読者を民話の世界に惹きこんでくれます。

 

少しずつ形を変えて、国を越え広い地域で

その土地の特徴を盛り込みながら

語り継がれる民話の面白さも感じました。

ベラルーシについて…

物語の大事な舞台として登場する麦畑

ベラルーシの農業は

気象が向いている麦類の生産が盛んです。

こちらのベラルーシの国章にも小麦が描かれています。

左の麦束にはピンクのクローバー

右の麦束には水色のアマが

ベラルーシの国旗の色の赤と緑のリボンで

巻きつけられています。

国章の中央にある金色の輪郭は

ベラルーシの国土の形です。

 

ちなみにこちらがベラルーシの国旗

左側に縦に加えられている赤と白の装飾模様は

「ルシニク」と言う民族模様で

伝統的な女性の農民服にも使われています。

(使うのがもったいないほど可愛い)

以前記事にしたスズキコージさんの画の作品

こちらもよかったらご覧ください。

tokinoakari.hatenablog.com