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一期一会の本と日常のおはなし

【すてきなテーブル】ピーター・レイノルズさんの絵本

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"家族がふたたび家族になる場所 それは思いをわかちあう「みんなの食卓」"(本書裏表紙のことばより)

「すてきなテーブル」

新評論 2021年11月 初版第1刷) 

文・絵 ピーター・レイノルズ  

訳 島津やよい

どんな絵本…

見開きの紹介文を読んで

ドッキリしたあと

物語を読んで

なぁんだそういうこと、と

ホッとしたけど

そうではなかった。

実は現実に起こっている

深刻な問題がテーマです。

 

紹介文には

食卓には きょうも わたしひとり。

おかあさんも おとうさんも おにいちゃんも

べつのいばしょが できたから…

とあります。

えっ、子ども向けの絵本なのに?と想像したのは

浮〇、不〇、非〇…

完全に昭和感覚でした。

 

家族がバラバラになった原因は

全く違っていました。

それは、

テ〇〇、ス〇〇、タ〇〇〇〇

まさに令和の

「現代的で普遍的な物語」(紹介文より)

です。

どんなストーリー…

食卓にまつわる家族のお話し。

 

同じ家に一緒に住んでいても食事は別々…って

めずらしいことでもなくなった現代

私も実際に聞いたことがあります。

 

 

絵本のなかでも今

少女はひとりぼっちで食事をしています。

 

楽しかった家族との思い出の場面は色彩豊かですが

ひとりぼっちのわたしの世界は、パープル一色。

 

いったい何が原因で家族はバラバラに?

 

少女はなんとか元の仲良し家族に戻りたいと

一生懸命考えてある行動をとることに。

少女の挑戦は実を結ぶでしょうか。

作者は…

ピーター・レイノルズさんは

数々のヒット作で知られる世界的な絵本作家

「こどもたち、

とくに”道をはずれた”こどもたちを、

絵と物語でささえること」が自分の使命だと語る。

 

邦訳に世界中の”図画嫌い”を救った「てん」

世界中の母親の心をうった「ちいさなあなたへ」

などがあります。

 

本書を読んだ直後は

どこがそんなにすごい人なんだろうと思うましたが

少し時間が経って考えが変わりました。

 

テーマとなったのは

あまりに身近で当たり前で

今ではなくてはならない便利なものなので

見過ごされがちですが

実は深刻な社会問題になっていることでした。

 

それを絵本という子どもにも伝わりやすいかたちで

シンプルにわかりやすく表現しています。

 

問題となった原因はテレビやスマホ

現代の生活の中で必要不可欠なものだけれど

使い方を誤れば生活の大事な部分を蝕む

それも気が付かないうちに

という恐ろしさまで感じました。

 

最近日本でも本書のテーマを想起させる

痛ましい事件があり、

改めてこの作品の重みを実感することになりました。