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一期一会の本と日常のおはなし

【てん】ピーター・レイノルズさんの絵本

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タイトルの「てん」、天かと思ったら違いました。

「てん」

あすなろ書房 2004年1月 初版)

作者 ピーター・レイノルズ  

訳者 谷川俊太郎

先日記事にしたピーター・レイノルズさんの作品が面白かったので

代表作といわれる本書も読んでみることに。

 

どんな絵本…

この作品の英語の原題は「THE DOT

タイトルの「てん」とは、「」のことです。

 

紹介文には

世の図画ぎらいを

勇気づける楽しい絵本

 

この本の絵は

水彩絵の具と紅茶を使って

描かれているそうです。

知らなかった!

紅茶で絵が描けるんですね。

 

谷川俊太郎さんの日本語訳が

とても自然体で

すんなり心に入ってきました。

どんなストーリー…

主人公の名前は「ワシテ

小学校の高学年くらいでしょうか。

 

注書きに

「ワシテ」(ワシュティ)は

旧約聖書に登場する王妃の名前。

王の命令にそむいたため追放された。

とあります。

 

確かに・・・

今、主人公のワシテも

先生の指示

授業の方針にそむいているようです。

 

はじまりのところを…

おえかきの じかんが おわった。

でも ワシテは いすに はりついている。

かみは まっしろ。

絵のなかのワシテも、誰もいない教室で

とっても難しい顔をして

机を背にして後ろ向きに座ってます。

机の上には、何も描いていない

まっさらの画用紙が置かれています。

 

相当に手強い図画嫌いのワシテのようですが

先生は頭ごなしに叱ったりはしません。

 

この先生のワシテへの粋な対応

図画嫌いのワシテの心を変えるのです。

きっかけはこんな小さなこと、小さな「てん」から

 

たったひとつの「てん」が

つぎつぎに、色とりどりの「てん」を生み出して

ワシテはすっかりいろいろな「てん」を

描くことに夢中になります。

それは「てんのてんらんかい」を開くほどに。

 

すると展覧会を訪れた

線を書くのが苦手な小さな少年に

ワシテは先生がしてくれた粋な対応と

同じことをします。

 

・・・ワシテはちゃんとわかっていたんですね

先生の思いも。

 

先生がどんな対応をしたかは

ぜひこの絵本を手に取ってご覧ください。

苦手だと思い込んでいることも

ほんのちょっとのきっかけや

だれかの後押しで変わります。

 

そんな経験があったかな?

と振り返ってみる機会にもなりました。

 

先日記事にした作品はこちらです。よろしければこちらもご覧ください。

tokinoakari.hatenablog.com