今いちばん会いたいのはだれ?来月の特別な日にお願いすれば叶うかも?
「あいたくて あいたくて I want to be close to you」(女子パウロ会 2017年10月 初版) 作・絵 宮西達也
独特のインパクト、パッと目を引く特徴のある絵。一目見ただけで、誰が書いたものかわかるような作風。
表紙絵は主人公のオオカミです。恐そうなんだけど、決して冷たくない見かけ。
ちなみに、この絵本の後ろの見開きには、著者の顔写真が載っていますが、決してコワモテではない、お優しそうなお顔です。
どんなお話し…
意地悪ばかりするので嫌われ者のおおかみが主人公。
おおかみはいつもひとりぼっち。
クリスマスイブの日も、意地悪することばかり考えています。
そんなおおかみが、ひょんなことから同じくひとりぼっちのケムシと出会います。
この出会い方が、胸キュンです。
口の悪いおおかみですが、ケムシのことばに涙し、ともだちになることに。
それからふたりはいつも一緒、大の仲良しになりました。
お互いの得意なことを教え合ったりして、ふたりで楽しい日々を過ごします。
ところがある日、突然に…
満天の星空に向かってひざまずくおおかみと一緒に祈りたくなりました。
独特のタッチで描かれるおおかみとケムシの孤独と喜びが、胸に響く物語です。
本編を読み終わったら、忘れずに裏表紙もじっくり見てくださいね。
著者のプロフィール…
著者の宮西達也さんは、1956年静岡県生まれの絵本作家。人形美術、グラフィックデザイナーを経て、絵本をかきはじめる。本書発行時で300冊以上の絵本を制作。
絵本「にゃーご」「おまえうまそうだな」は教科書にも掲載されています。
「きょうはなんてうんがいいんだろう」で講談社出版文化賞・絵本賞、剣淵絵本の里大賞を、「ふしぎなキャンディーやさん」で日本絵本賞・読者賞など、多数の賞を受賞しています。
読み聞かせについて…
著者の考える読み聞かせとは。インタビュー記事からいくつか参考になるものを抜粋します。
…絵本っていうのは、読み聞かせるお母さんやお父さんと、読んでもらう子どもの感性が入って初めて完成するんですよ。…
読み聞かせには、コツなんてないんです。淡々と読む人もいれば、乗り移ったように読む人もいて、読み方は十人十色だけれど、どれが正解っていうわけじゃない。ただ、ひとつ大切なのは、その本が好きかどうか、ということ。
…読み聞かせが苦手という人も、まずは自分の好きな絵本を選んで、自分も一緒に楽しむといいですよ。
読み聞かせに対するハードルが、少し下がったかな?