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一期一会の本と日常のおはなし

韓国のご家庭を訪問できる絵本

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韓国といえば。私は今ならまずはBTSでしょうか。韓国料理も好きです。キムチに入っている韓国産の赤唐辛子は辛いのに甘味があってほんとうに美味しい。

「マンヒのいえ」(セーラー出版 1998年7月 第1刷) 絵と文 クォン・ユンドク  訳 みせ けい

 

マンヒのいえ

 

どんな本かな…

韓国作家による韓国のふつうの家庭の様子を描いた絵本です。

作者本人の実際の家と息子さんがモデルとなっています。

非常に緻密で繊細なタッチ、家周りの草木に咲いている花のひとつひとつが丁寧に描写される細やかさ。そこに優しい色合いで温もりを感じさせる絵です。家の中も家具の装飾や敷き物の絵柄まで克明に描かれているので、韓国ならではの雰囲気がとてもよく表れています。

 

狭いアパートから、おじいさんおばあさんの住んでいる大きな家に引っ越した主人公のマンヒ少年。その家にはたくさんの部屋や広い庭があり、犬も3匹飼っています。

 

韓国の住環境というと、アカデミー賞を受賞した「パラサイト半地下の家族」のイメージが強いです。すごい豪邸と半地下の対比、そのどちらでもない一般的な暮らしはあまり見たことがありません。

 

本書では、韓国らしい丁寧な暮らしぶりが見てとれます。装飾や生活用品に、日本ではあまり見かけないものもあり、日本との違いを見つけるのもいいでしょう。細やかな描写を眺めながら、お隣の国の家庭にお邪魔しているような気分で楽しめそうです。

 

なかでも「チャンドクテ」という納屋の上にある、カメを置く場所に韓国らしさを感じました。みそガメ、コチュジャンガメ、しょうゆガメなど大きいものから小さいものまでたくさんのカメが並んでいます。

 

絵本が描かれた時期が1995年と今から27年前なので、今の家庭の様子とは異なるところもあるかと思います。今と何がどのくらい違っているのかも知りたいところです。

 

著者について…

韓流ドラマはとても面白く、私も一時期ハマりました。周りにはずっとハマっているひとも多く、寝る間も惜しんで、Z世代でもないのに倍速視聴している友人も。

韓国について、ある面では日本でも詳しくご存じの方も多いかと。

けれど、まだまだ知らないところもあるのでは、と著者について調べてみて思いました。

 

著者は、1960年、京幾道(キョンギド)鳥山(オサン)生まれ。

本書は著者のはじめての絵本。それから様々な作品を創り、韓国を代表する絵本作家の先駆者として活躍しています。

日・中・韓の絵本作家が手がける「平和絵本シリーズ」(全11冊)では、「慰安婦」をテーマとした「花ばぁば」を制作しました。韓国と中国では2010年に発刊されましたが、日本では「お蔵入り」しそうになったところを紆余曲折のすえ、別の出版社から8年後の2018年に出版されました。

私はこの経緯を全く知りませんでした。非常にデリケートな問題にも正面から向き合う著者の姿が収められたDVDも制作されています。

より良い関係を築くには、まずは相手のことをしっかり知ることから。そしてそれは、自分のこともしっかり見つめることに繋がりそうです。

maga9.jp

 

花ばぁば

花ばぁば

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