月曜日は、目の覚めるような鮮やかなビタミンカラーではじまりたい。
夏のあいだ田んぼから聞こえていたカエルの大合唱が、いつの間にか聞こえなくなっていました。姿はあまり見かけないけど、声はよく聞いているのでカエルは身近な存在、そんなカエルが主人公の本が今日の一冊、
「ごびらつふの独白」( ほるぷ出版 声にだすことばえほん 2007年3月初版 ) 詩 草野 心平 絵 いちかわ なつこ 編 斎藤 孝
ごびらつふ とは…
主人公(主蛙公?)の名前です。この絵本は、全編がカエル語の詩で書かれています。カエル語は習ったことがないので、何を言っているのかさっぱりわかりません。でも、大丈夫。うしろのほうに草野心平自身による日本語訳がついています。
「るてえる びる もれとりり がいく。」
ごびらつふの詩は、この言葉からはじまります。もし今いる時と場合が許せば、声に出して読んでみてください。なんだか力が湧いてきませんか。声に出して読むことでカエルの気持ちになり、どんどん気持ちがふくらんで、生きることを賛歌したくなる詩です。
イラストも生き生きと…
詩に添えられたイラストもパワフルです。
星の瞬く夜、奥深い山の緑生い茂る森には、湖面に明るい光を放つ半月が映る湖。その大自然のなかを、緑のリュックを背負い、白い可憐な花を抱えたカエルのごびらつふが、画面いっぱいに元気に跳ねる姿が描かれています。ここは恐竜がいた太古の昔から生き抜いているカエルの世界、そこには湧き上がる生命力、本質的な自然のエネルギーがあります。
著者について…
草野心平は、1903年福島県生まれの詩人です。カエルや富士山を題材とした作品を多数残しています。この作品について、編者の斎藤孝はあとがきで
「孤独を抱えているのだけれど、緩やかに繋がっている蛙という生物の単純さは素晴らしい、考えない方がいいことは考えないというくらいにたわいない幸福のほうがいい」というのが心平のメッセージだ。
と語っています。
せっかくなので思い切って…
声を出して読んでみました。慣れないと舌を嚙みそうになります。そのうちだんだん力が入ってきます。ごびらつふのように、びよーんと体が伸びた気分です。
時々使ってみたいと思い、ほんの一部をここに記します。
「るてえる びる もれとりり がいく。」(幸福というものはたわいなくっていいものだ。)「ぷう せりを てる」(考えることをしないこと)「りりん てる」(素直なこと)「ぼろびいろ てる」(夢をみること) ※( )内は日本語訳
ビタミンチャージできました\(^o^)/