hon de honwaka

一期一会の本と日常のおはなし

未来のための大切な準備

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今の季節は、朝晩と日中の寒暖差が大きくて体調を崩しがち。冷たいものの飲み過ぎ食べ過ぎ注意報が出ています。

今日の一冊は、

「どうぶつせんきょ」(ほるぷ出版 2021年6月第1刷)作 アンドレ・ホドリゲス ラリッサ・ヒベイロ パウラ・デスグアウド ペドロ・マルクン  訳 木下眞穂

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選挙の成り立ちから…

小さな子供にもよく理解できるように、とても丁寧に順序だててストーリーが展開します。どうして選挙が必要なのか、どうやったら選挙はできるのか、立候補するにはどうしたらよいのか、投票のルール作りとは、立候補者の活動とは、民主主義ってなんだろう、読み進めるうちに自然に身についていきます。

動物の森で問題発生…

森の王様であるライオンが森の動物たちの誰にも相談せず、みんなが使っている川の流れを勝手に変えてしまいます。理由は自分の家にプールを作るため。流れが変わったために、森の動物たちは川の水を使えなくなって大変困ってしまいます。

そこで森の動物たちが集まって、ライオンに意見を言うためデモ行進。けれどライオンは全く聞く耳を持ちません。フクロウが提案し、民主的に選挙で森のリーダー(大統領)を決めることになるのです。

選挙に立候補したのはライオン、サル、ヘビ、ナマケモノ、の4名。

ライオンはちょっと威張ってる、サルはちょっとお調子者、ヘビはなんとなく怖い(私見)、ナマケモノはみんなの話をよく聞くけどおとなしい。

選挙運動がはじまります。テレビに出たり討論会を開いたりして、候補者それぞれが自分の考えを発表します。中には他の候補者の悪口を言ったり、有権者に賄賂を渡す候補者もいてリアルです。選挙の当日、有権者の動物たちは誰に投票するでしょうか。

この本を作ったのは…

4才から11才の5チームの、ブラジルの子供たち。男の子も女の子も、みんなで森の動物になり、話し合って選挙をして、この本を作りました。堅苦しくて難しそうなイメージのある選挙ですが、こんな風に仮想体験しながら学べると楽しく選挙の知識を得ることができます。

鮮やかな色合いのポップで弾けたイラストで動物たちが描かれているので、選挙に対しても明るく元気な印象を持ちそうです。

大切なことは…

ひとりひとりが、その土地の未来についてよく考えること。意見の違うほかの人たちともよく話し合うこと。有権者は、自分事として責任を持って投票すること。

どれも大人にとって耳の痛いところです。どれくらいの数の有権者がこういう意識で投票に行っているのだろうか。そして、実際の候補者はどのタイプが多いだろう。どこかの国の大統領選挙を見ていると、大抵はライオンかサルタイプで、ヘビタイプがごく少数、ナマケモノタイプはあんまりいないんじゃないかと心配になりました。

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