hon de honwaka

一期一会の本と日常のおはなし

【げたばこかいぎ】議題は身近なアレです。

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はるとくんが呼ばれたのは下駄箱のなか。

「げたばこかいぎ」

とっておきのどうわ 

小学校低学年から 

PHP研究所 2022年3月 第1刷) 

作 村上しいこ  

絵 高畠那生

 

タイトルが面白そうだったので読みました。

こんな発想があったとは!

どんなストーリー…

主人公の男の子はるとくんが眠っていると

だれかが呼ぶ声がします。

はるとくん、おきてください。はるとくん

 

呼ばれたほうを見てびっくり

はるとくんの、いつも履いている

右足のスニーカーが手招きしています

 

私はてっきり学校の下駄箱の前あたりで

子どもたちが会議でもするのかと思っていたのですが

会議を開催するのは下駄箱のなかの靴たちでした。

 

はるとくんの右足のスニーカーは二本足で立って

両手を揚げて手招きしていたのです。

スニーカーに促され、虹色のスリッパを履くと

はるとくんは小さくなって下駄箱の中へ。

 

その奥には広い部屋があり

大きな丸いテーブルを囲んで

家族みんなの靴が座っていました。

 

会議というからには何か議題がありそうです。

みんなが話し合いたい議題とは・・・

 

まず最初に話し合われたのはなんと

パパのかわぐつが くさいと、苦情がきています

 

・・・みなさん、大丈夫ですか?

なにか心当たりはありませんか?

私はちょっとドキドキしましたが、みなさん大丈夫?

 

これはかなりの大問題です。

家族みんなの靴たちがそれぞれ意見を出し合います。

当事者であるパパの革靴は、なかなか事実を受け入れられません。

 

喧々諤々・・・

するとママのサンダルとママのブーツがはるとくんに提案します。

はるとくんからパパに、パパの革靴がくさいと伝えるようにと。

 

でもはるとくんはそんなことを言ったらパパが傷つく

パパが可哀想と反論するのですが・・・

 

さてこの大問題、上手く解決できるのでしょうか。

 

会議に参加したはるとくんが

みんなにとっての悩みを解決しようと

パパの気持ちを思いやりながら

一生懸命考え行動するお話しが

テンポよくドタバタのユーモア交えて進みます。

 

みんなで話し合う会議の大切さ

自然に理解することができました。

作者について…

文・村上しいこさんは三重県生まれ。数々の賞を受賞しています。

「かめきちのおまかせ自由研究」で第37回日本児童文学者協会新人賞

「れいぞうこのなつやすみ」で第17回ひろすけ童話賞

「うたうとは小さないのちのひろいあげ」で第53回野間児童文芸賞

「とっておきの詩」で第56回青少年読書感想文全国コンクール小学校低学年の部課題図書。

 

絵・高畠那生さんは岐阜県生まれ。2003年「ぼく・わたし」で絵本作家デビュー。

「カエルのおでかけ」で第19回日本絵本賞

「うしとざん」で第68回産経児童出版文化賞ニッポン放送賞など。

 

ユーモアあふれる表情豊かな靴たちのイラスト

「靴のにおい」という身近で

しかもデリケートな問題に

靴たち当事者が「会議」という形をとって話し合う

楽しくも真面目なお話しにぴったりです。