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一期一会の本と日常のおはなし

【さるとかにのもちあらそい】松谷みよ子の子どもに伝えたい日本昔話

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松谷みよ子の子どもに伝えたい日本昔話
「さるとかにのもちあらそい」

小学館 2001年4月 初版) 

監修・松谷みよ子  

文・水谷章三  

絵・二俣英五郎

 

 

日本の昔話を…

昨日から読み始めた日本昔話、

松谷みよ子の子どもに伝えたい日本昔話」

シリーズをまず読んでみることに。

 

この絵本は、全編ひらがな・縦書きの絵本です。

製本の仕方も昔の絵本を思い出す

厚手の紙でできた作りになっていて

昔話の雰囲気によく似合っています。

どんなお話し…

 

むかし、あるとき、かにどんが さるどんと

であって そうだんしたんだと。

「ふたりで いっしょに

たんぼで こめをつくらんか」

「ああ、ああ、いいとも」

こんな出だしで物語ははじまります。

 

働き者のかにどん

怠け者でチャッカリもののさるどん

 

かにどんが田植えをしようと誘うと

「腹が痛い」と逃げるさるどん

夏の草取りは「背中が痛い」

秋の稲刈りも「喉が痛い」

かにどんはずっとひとりで働きました

 



どんな絵…

二俣英五郎さんの絵は、

日本の昔の素朴な雰囲気をよく表しています。

 

さるどんが布団をかぶって寝ている木造の民家は

最近では見かけることがない古い佇まい。

 

かにどんがハサミの手で稲を植える姿からは

昔の田んぼの様子が見て取れます。

 

墨と柔らかな色合いの

毛筆で描かれたような絵には

日本ののどかなな原風景が感じられます。

お話しの続きは…

 

出来た米で餅をつくのは手伝うさるどんですが

ひとり占めしようとかにどんにある提案をします。

すると…

 

さるどんの悪知恵がうまくいくかに見えましたが

土壇場で急展開が。

 

最後は一生懸命真面目に働いた

かにどんに軍配が上がります。

 

ちょっとハラハラしたり

さるどんに腹を立てたり

かにどんが報われてよかったと思ったり

 

さらにはどうしてさるの顔が赤いのかまで

知ることができる楽しい昔話です。

 



編集部から〈おうちの方へ〉のメッセージには

いつの時代にも色あせることなくわくわくドキドキさせてくれる「昔話」。昔話は、日本に伝わるすばらしい伝承文化です。そんな日本の昔話を、二十一世紀を担う子どもたちに伝えたいと、私たちは考えています。想像力豊かな子どもを育てるために、お子さまと一緒にお話しの世界にはばたいてみませんか。

とあります。

 

このシリーズ、今風の可愛らしかったり洗練された絵ではありませんが、それが返って新鮮で味わい深いです。もう何作かあるので、また後日ご紹介したいと思います。

※「さるとかにのもちあらそい」は残念ながら入手困難なようですが絵の雰囲気を味わっていただければと、下記サイトを掲載しました。