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一期一会の本と日常のおはなし

【憑かれたポットカバー】ゴーリーのクリスマス絵本

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朝起きたときの室温が3度でした。寒いです。

「憑かれたポットカバー」

〈クリスマスのための気落ちした気色悪い気晴らし〉

作 エドワード・ゴーリー  

訳 柴田元幸

この絵本は、

縦19×横19センチくらいの小ぶりなサイズです。

縦9×横11.2センチくらいの

さらに小ぶりなサイズの絵が

開くと右側のページに描かれています。

まるで画集のようです。

 

訳者のあとがきによると本書は、

西洋でもっとも有名なクリスマス・ブックといえば、おそらくチャールズ・ディケンズの『クリスマス・キャロル』(1843)だろうが、

本書『憑かれたポットカバー』は、その永遠の定番クリスマス本の何とも人を喰ったパロディである

とあります。

 

クリスマス・キャロル」、読んだことがあったっけ?

という時点で、もう読んでいたとしても

忘れているわけで。

 

訳者は、あとがきの終わりのほうで、

クリスマス・キャロル」を読んでいなくても、

ゴーリー晩年の深みのある絵」を楽しめる

と書いています。

 

どれ、まず読んでみよう。

 



見開きのページの左側に英語の文章、

右側に絵とその下に日本語訳の体裁です。

 

英語はイマイチなので

日本語訳と絵を見比べながら読み進めます。

 

絵は独特なモノクローム線画

奇妙で不思議で怪しげ。

静かで滑稽な動きを感じます。

 

繊細で、どこかユーモアがあり

絵を見ているだけで楽しいです。

 

ただ、文章は不思議な感じです。

どういう意味かよくわからない。

 

クリスマス・キャロル」を知らないまま読んだら、消化不良に終わりました

それではと

クリスマス・キャロル」を読むことに

 

そしてまた再読。

本書は短い文章と絵なので、

何度でも容易く読めます。

 

カンニングみたいですが、

あとがきを読んでいたので

なんとなく合点がいきます。

クリスマス・キャロル」には

3パターンの幽霊がでてきますが、

 

その代わりに本書では、

3パターンの亡霊が登場します。

 

そしてそれぞれの亡霊が

胸に迫る情景」「胸の痛む情景」「胸を裂く情景

を見せるといいます。

これは「クリスマス・キャロル」の話の流れにぴったりです。

 

そこからゴーリー特有の不可思議な情景、

とぼけたストーリーが展開していきます。

 

はく製になった犬がでてきたり、

日本の北海道の地名がでてきたり。

 

胸が痛み胸に迫りますが、

一般的にはありえない情景なので滑稽にも。

最後まで読んでみましたが、

完全に消化できたかというとです。

ただ理解できなくても、

とぼけた絵とストーリーは、読むほど奇妙な味わいがあります。

 

言葉遊びもふんだんに盛り込まれているようなので、

英語を理解していたら、もっと楽しめそうです。

そもそもパロディ元の「クリスマス・キャロル」も急ぎ読んだばかり。

こちらも未消化中なので、

何度か読み返し身についてからまた再読したら、違った情景がみえるかもしれません。

クリスマス・キャロル」が大好きな方や

毎年読んでいる方、暗記してるよって方の

本書の感想お待ちしています(^^)