hon de honwaka

一期一会の本と日常のおはなし

【日常のこと】祖母の親指

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同世代の女性が数人集まると

必ず話題になる体のお悩み。

上から順に挙げると

髪の毛、目、耳、歯、肩、背骨、

手首、お腹、股関節、膝、踵などなど

先日もそんな時間がありました。

 

今回は手指について。

 

女性は尚更だそうですが

ある程度の年齢になると

指先が思いがけない方向へ曲がったりします。

 

これはホルモンの関係で

やむをえない現象であるらしいです。

かくいう私も

いつの間にやら気が付けば

左の中指が真っ直ぐじゃなくなってました。

第一関節から心なしかやや左方向へ…

 

いつの間に〜

私の許可もなく〜

そういえば数ヶ月前から指先の第一関節の

動きがぎこちなくなってたなぁ。

 

はじめて気がついた時は

とても残念な気持ちに。

また1段階“何か”が進んだのだと。

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そんな指関連の話題になると

私には必ず蘇ってくる思い出があります。

 

それは祖母の親指のこと。

 

父方の祖母とは幼少期から

長く同居していました。

小さい身体に溢れるエネルギー

キツイくらいの強い気性

ザ・明治の女です。

 

とても元気で

外なら園芸草むしり鳥の飼育

家の中では裁縫編み物小物作りと

常に何か手仕事をしていました。

 

祖母が80代前半の頃のある日

「これ、こんな風になったの」

と何気なく見せられたのは右手の親指。

 

ジッと見なくても不自然。

祖母の右親指は

第一関節から外側に

直角に折れ曲がっています。

 

咄嗟に思い浮かんだのは

ユリゲラーさんのスプーン曲げでした。

www.youtube.com

(曲げる、というよりは折れていますが今も現役)

 

祖母は悲しむでも自慢するでもないけれど

何かコメントは欲しい様子。

 

見事な曲がり方に

分度器で測ってみたい気持ちを

さすがに失礼かと抑えつつ

 

わたし「痛いの?」

 

祖母「ううん、痛くない」

 

わたし「痛くないなら、いいんじゃない?」

 

祖母「そうだね」

 

…って今ならもっと何か気の利いたことが

言えたかなと振り返りますが

その時のそんな他愛もない会話と

内心は「コテ」(鏝)みたいだなぁと

妙に感心した記憶が

指の話になるといつも頭をよぎります。

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祖母は若い頃和裁を習い

当時は多くの女性がそうしたように

自分の着物も家族の着物も全部手作り。

 

幾度となくその右親指で

反物を押さえたりしたことでしょう。

 

数十年の時を経て

祖母の右親指は和裁仕様になったのかな

と思うのでした。

 

私の指はまだまだ変化の途中(痛いし)

いったい何仕様になるのか?

そこそこ納得できるものだといいのですが。

 

写真の紫陽花は祖母が植えたものです。

30年以上前のことですが

今も毎年元気に咲いています。

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