こんな愉快な紙芝居、見てみたい！
「どろぼうがっこう」
かこさとし・おはなしのほん４
（偕成社 １９７３年３月初版１刷）
作・絵 かこさとし
どんな絵本…
作者のあとがきによると
原作は「黒と黄の二色で
乱暴に走り書きした紙芝居」
忙しい中、急いで描いた作品は
作者の予想に反して
子どもたちに大好評だったそうです。
見た瞬間から子どもたちをとりこにしたしたのは
なぜなんでしょう。
どんな物語…
おいのこもり という、へんな なまえの もりに、
きんと ぎんの めをした
へんな みみずくが すんでいました。…
これは変な森の変なミミズクが教えてくれたお話。
山のはずれに泥棒学校がありました。
（どろぼうの学校が⁈あること自体が変ですね）
校長先生は「くまさか とらえもん」先生
見た目はどこかで…
歌舞伎役者か石川五右衛門か。
盛り上がったリーゼントヘアに
睨みのきいた鋭いまなざし
派手な柄の着物と羽織を纏い
大きな煙管を手にしています。
生徒はみんな超がらの悪そうな顔と出で立ち
怪しいはちまき、サングラス、そして顔に切り傷。
泥棒学校の宿題はどろぼうすること
真夜中の遠足もどろぼう目当て
ところが
生徒たちの提出する宿題が変！
自分の家から靴を持ってきたり
学校の黒板を盗んできて
校長先生に叱られてしまいます。
どこかちぐはぐで
とんちんかんな生徒たちです。
こんな先生と生徒たちなので
当然、真夜中の遠足もおかしなことに。
「ぬきあし さしあし しのびあし…」
自信満々に泥棒学校のみんなが忍び込んだのは…？
間抜けな校長先生と間抜けな生徒たちの
可笑しな学校生活が
薄暗闇の舞台のなかで
こそこそと繰り広げられます。
ふたたびこの絵本について…
乱暴に描いた紙芝居のどこが子どもに受けたのか
作者があとがきで語っています。
……何度となく、そのアンコールにこたえながら、わたしはかれら（注：子どもたちのこと）が表面上のきらびやかなケバケバしさや豪華さにひかれるのではなく、もりこまれた内容の高いおもしろさを求めているのだということを、子どもたちに教えられたのです。……
長年仕事のかたわら
セツルメント活動や児童会活動に従事され
絵本や童話など多岐にわたる作品を
人となりや作品が詳しくわかる
公式ホームページです。
絵を眺めているだけでも楽しいサイトです。
以前記事にした
かこさとしさんの作品もよかったらご覧ください。
