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一期一会の本と日常のおはなし

【ちいさなヒッポ】お母さんカバと一緒に。

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カバは英語でHippoやHippopotamus

「ちいさな ヒッポ」

偕成社 1983年12月 初版1刷) 

作・絵 マーシャ・ブラウン  

訳 内田莉莎子

この絵本の魅力…

版画で描かれたカバの母子がとても魅力的です。

子どものカバ「ヒッポ」の可愛らしさもありながら

自然のなかで生きるカバの生態も

野性味と躍動感を持って表現されています。

 

お母さんカバに

自然のなかで生活するのに大切なことを

ひとつひとつ教えてもらいながら

のびのびと成長していくヒッポの姿に

温かい気持ちになりました。

どんなお話…

最初はお母さんカバにぴったりくっついて

決して離れなかったヒッポ。

お母さんカバのそばにいれば安心です。

 

ある日、お母さんカバはヒッポに

大切な「言葉」を教えます。

それは「グァオ」と叫ぶこと。

 

教えられたその言葉を

仲間のこどもカバやサバンナの動物たちに

「グァオ」と使ってみるヒッポ。

 

少しずついろいろなことを経験していきます。

 

物語の終盤、大人のカバが休んでいる間に

好奇心旺盛なヒッポはひとりでおでかけしちゃいます。

そして思わぬ危機に遭遇することに。

読んだ感想を…

ハラハラドキドキ、

自然の厳しさも作品には込められています。

 

どんなふうにして子どもが大人になるのか

お母さんの教えがどんなに大切か

いつも見守ってくれるお母さんカバの

強い愛情も見て取れました。

 

もしこの絵本を手に取られたら、ぜひ

表紙と裏表紙を見開きにして見てください。

すると

ヒッポが如何に小さいかがわかります。

 

この作品の原作は、アメリカで1969年に

タイトル「HOW HIPPO」として出版されました。

活き活きとした作風の印象から

50年以上前の作品ということにも驚きました。

 

こどもカバのヒッポの愛らしさとともに

抑えた色味で刷られた版画の絵が

動物たちを可愛らしくし過ぎず

美しい自然の生の在りようを映しています。

ときに悠然とした

ときにダイナミックな構図も迫力があります。

見応えのある画風でした。