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一期一会の本と日常のおはなし

【ジェニー・エンジェル】もしも別れが

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もしも別れが身近に迫っているとわかっていたら。

「ジェニー・エンジェル」

岩崎書店 2001年4月 第1刷) 

作 マーガレット・ワイルド 

 絵 アン・スパッドヴィラス  

訳 もりうち すみこ

どんなお話…

「別れ」にもいろいろありますが…

この絵本のなかに登場する別れは、永遠のもの。

それも、主人公のジェニーより年下の

大切な大切な弟デイビーとのこと。

 

ジェニーは小学校高学年くらいに見えます。

デイビーは小学1,2年生でしょうか。

 

お母さんから別れが近いと言われてはいますが

それを受け止めることは

ジェニーにはとてもできません。

 

ジェニーはお母さんの古いロングコートを

寝る時も学校に行くときも

いつでも着るようになりました。

そうしているとジェニーは

「ジェニー・エンジェル」になれるから。

ジェニー・エンジェルはデイビーを守る天使。

ジェニーは思っています、

自分が「ジェニー・エンジェル」である限り

デイビーはきっと大丈夫…

悲しみが静かに音もたてずに近づいている気配が

ほの淡い桃色と薄紫に染まった

夕空やデイビー部屋の壁に満ちています。

 

愛する人を失いたくないと

天使になることだけに全力をかける

ジェニーに心を打たれます。

 

たとえ避けられないことだとわかっていても

懸命に力を尽くすことが

その後のジェニー自身にも

力を与えてくれるのではないかと思います。

 

何があってもレインコートを脱がないジェニーに

静かに優しく寄り添う周囲の人たち

家族や親友の姿勢も印象に残る絵本でした。