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一期一会の本と日常のおはなし

【まゆとおに】最強の女の子の絵本

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こんな力があったら楽しそうです。

「まゆとおに」

やまんばのむすめ まゆのおはなし

福音館書店 1999年4月 こどものとも発行) 

文 富安陽子 

絵 降矢なな

どんな絵本…

登場するのが山姥の娘と鬼なので

パッと見た瞬間

日本の昔話かと思ったのですが

そうではなく作者による創作絵本でした。

どんなお話…

山の天辺の小さな家に住んでいる

山姥のおかあさんと

その娘のまだ小さな女の子「まゆ

 

まゆは素直で無邪気な

普通の元気な女の子です。

燃えるような赤い髪

まるでライオンのたてがみのよう。

 

ある日、山の中で

とんでもなく大きいひとに出会います。

その人は真っ赤な体に二本の角

大きな口からは鋭い牙がでています。

さらにトラ柄のパンツ!

まちがいなく「」ですが

まゆはわからなかったみたい。

 

このとき鬼はとてもお腹が空いていました。

まゆを見て「おいしそう

まゆを茹でて食べようと思いつきますが…

まゆは普通の女の子だけど

おかあさんは山姥です。

びっくりするような力持ちのまゆ

鬼のお手伝いのため

 

大木を倒して薪にしたり

石壁を蹴って小さく砕き置き石を作ったり

 

ついには親切心から鬼を抱きかかえて

熱く煮立った釜の中に放り込んで

 

巨大で恐ろしい姿かたちの鬼が

シクシク泣く場面に

きっと子どもたち抱腹絶倒ですね。

 

ユーモラスでありながら怖さも残した

迫力のある絵が物語に力を添えています。

 

熱い湯を浴びてお尻に大やけどをした鬼が

そのあとどうなったかはぜひ絵本を手に取って

確認してみてください。

作者について…

作者の富安陽子さんは1959年東京生まれ。

日本児童文学者協会新人賞を受賞した

クヌギ林のザワザワ荘」や

新美南吉児童文学賞

「小さなスズナ姫」シリーズなど著書多数。

 

本書は「やまんばのむすめ まゆのおはなし」

シリーズ7刊の一冊。ほかに

「まゆとブカブカブ―」「まゆとりゅう」や

「まゆとうりんこ」「まゆとかっぱ」

「まゆとおおきなケーキ」「まゆとそらとぶくも」があります。

 

無邪気な力持ちのまゆが

どんな活躍を見せてくれるのか

気になるタイトルです。

画家の降矢ななさんは1961年東京都生まれ。

1992年からチェコスロバキアに渡り

プラチスラヴァのプラチスラバ美術大学で学ぶ。

スロバキア人の画家と結婚しスロバキア在住。

自作の絵本や挿絵を手がけています。

 

「やまんばのむすめ まゆのおはなし」

シリーズの絵では「ムーミンシリーズ」の

挿絵を参考にされたそう。

 

ロングセラー絵本の

「めっきらもっきら どおんどん」や

「きょだいな きょだいな」(両方とも長谷川摂子作)

の絵も手がけています。

 

2022年

「ヴォドニークの水の館 チェコのむかしばなし」で

第69回産経児童出版文化賞美術賞を受賞しました。

 

以前紹介した降矢ななさんの絵の作品

こちらもよろしければご覧ください。

tokinoakari.hatenablog.com