『にっちもさっちもいかなく』なること間違いなし。
「こねこのトムのおはなし」
(早川書房 2022年9月 初版)
作・絵 ビクトリアス・ポター
訳 川上未映子
この絵本の特徴は…
著者のビクトリアス・ポターさんは
ピーターラビットでご存じの方も多いかと思います。
本作は子猫のトムが主人公の絵本。
そのクラシックで上品な愛らしさの漂う作品を
私が最初に川上未映子さんに注目したのは
小説ではなく、内容は忘れてしまいましたが
新聞かなにかの人生相談の回答者としての回答。
とても鋭い洞察を的確な言葉で表現していて
さすが、と思ったことがきっかけ。
そこから小説も読みはじめました。
今話題の小説「黄色い家」は
新聞に連載されていたときに
毎日欠かさず読んでは、ハラハラゾクゾク
佳境に入ったときには「大変なことになった!」と
手に汗握って読みました。
どんなおはなし…
3匹の仲良し子猫姉弟の
ミトン(♀)モペット(♀)トム(♂)
いつもは
『毛のみ毛のまま』ですが
タビタおかあさんの催した
『おすましごふじんのお茶会』のため
おめかしして素敵な服に着替えることに。
『まず、顔をこしこし』するところから
トムが着せられたのは『ぴっちりした服』
身支度が仕上がって、タビタおかあさんから
3匹は庭で待っているように言いつけられます。
しかし…
皆さんももしかしたらと想像してるかも?
子猫が3匹集まって
じっとしてられるわけがありませんよね⁈
ここまでの『 』のなかの言葉は
本作の川上未映子さんの訳文を引用しています。
これから先の3匹のドタバタ劇は
川上未映子さんの自然体で絶妙の名訳で
ぜひお楽しみください。
手のひらサイズの小さな絵本のなかの
細やかであどけない猫たちの仕草も可愛い
イラストも隅々までご覧ください。