地元のローカルTV番組を見ていたら、私にとっては今も現役の方言が、過去の遺物「死語」であると話題になっていた。街頭インタビューで、若い人だけでなく私より上の世代の方たちも知らないと。え~!
「 ディラブディ 」(ひつじ書房 2022年5月 初版) 作話 與那覇悦子 絵 山本史 聞き取り・ことばの解説 山田真寛 英訳 藤田Round幸世
与那国語の絵本です…
表紙を見て、お相撲さんのお話しかと思ったのですが、この方は、昔々、与那国島に住む「ディラブディ」と呼ばれたおじさんです。
この絵本は、与那国島に伝わる民謡「ディラブディ節」をもとに創作されました。
物語は、与那国語の文章に日本語と英語の訳で表記されています。
「ディラブディ」おじさんと大勢の家族、奥さんに子ども、近所に住む兄弟家族のある一日の生活を体験しながら、与那国語に親しめるようになっています。
海に潜って、お魚をたくさん捕って、大家族で大宴会、伸び伸びのどかな絵本です。
巻末に、与那国語の発音や文法が楽しく学べる「まーさー先生のどぅなんぬむい教室」が付いています。
さらに詳しく知りたい方はこちらのサイト「言語復興の港」もご覧ください。
与那国語とは…
日本最西端の島「与那国島」では、与那国固有のことば「どぅなんぬむい(与那国語)」が話されています。
与那国語は、大昔に日本語の祖先と別れた琉球語のひとつ。日本語がなまったものではなく、独自の単語、発音、文法があります。
与那国島で現在与那国語を日常的に使っているのは、大体60歳以上の人たち。子どもたちは使うことができないので、「いま何もしなければ」なくなってしまう「消滅危機言語」と言われています。
以前、オランダの「フリジア語」について記事にしました。与那国語と同じく、「いま何もしなければ」なくなってしまうと言われています。よろしければ、こちらも。
「みる・よむ・きく 南の島のことば絵本シリーズ」として…
この絵本は、READYFORのクラウドファンディングによる支援で制作されました。
ほかに、竹富島「星砂の話」、多良間島「カンナマルクールクの神」、沖永良部島「塩一升の運」があります。
その土地独自のことばには、そのことばが生まれたときの歴史が詰まっているように思います。そこにはきっと、ほかの言語では言い表せない意味が込められたことばも。ことばを大切にすることは歴史を大切にすること、そしてその土地に住むひとの心を豊かにするもの、「いま何かする」ために制作された絵本を、多くの方に読んでいただきたいです。
これなら、毎日できそうかな?